けい先生のつぼにくる話

はりきゅう漢方の先生が教えてくれる健康に関する話
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五蔵(臓)の中の肝について (再度つづき)

2008-10-04 23:58:50 | 東洋医学全般
さて、前回は、肝の中の血を構成する津液(しんえき)が虚して(減って)しまったために熱が発生するお話を致しました。
この熱は何かが減ってしまって発生するということで、虚熱(きょねつ)と表現しました。

だから、この熱はカゼや何かに感染して、がんがんでてくる熱とはちがって、ある程度発熱をしたら、後が続かなくなって、急に寒気がする場合があります。これが体力の一時的な回復などと呼応して繰り返されるのを、「往来寒熱(おうらいかんねつ)」といって、例えば更年期に起きるホットフラッシュ、俗に言う「カースー病」というのもこの範疇に入ります。

さて、その次に起りやすいのが、前回のコラムに書いた、

2)それが長く続いて、血の流れ自体が悪くなってしまう場合

であります。

これはさらさらした血の中の津液(しんえき)といわれる水分が何らかの理由で飛んでしまって、熱が発生しておったところが、これが繰り返されたために、熱も発生しなくなってしまった状態です。さらさらといえる状態ではなくなってしまった血が冷えてくると、流動性がなくなって、血の巡り自体が悪くなる。

もちろんこの概念でいう「血」はそのままイコール西洋医学でいう血液ではないので、「血(けつ)」と呼んで区別をしています。

さて、この一旦は冷えて流動性のなくなった血の状態を「瘀血(おけつ)」とよびます。これは交通事故や流産などでも発生します。

この「瘀血(おけつ)」が血だけでなく氣の流れを阻害して、あらゆる病の原因ともなるわけです。だから、この瘀血が取れることによって、特に婦人科系の疾病がたいてい軽減されるか治癒されてしまうことが多いのです。

次回は前々回の

3)そして血自体が減ってしまう場合が人体に起ると、病の決定的な原因となるのです。

についてお話します。


日本伝統鍼灸漢方
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