けい先生のつぼにくる話

はりきゅう漢方の先生が教えてくれる健康に関する話
Twitter(X)リンク @kkclinic

前回の続き、、、、、加味温胆湯、抑肝散加陳皮半夏、当帰芍薬散、八味地黄丸

2009-03-07 16:18:28 | 東洋医学全般
前回の続きなのですが、それらの漢方薬がボケた精神状態、アルツハイマーやパーキンソン症候群に効くといわれるのは、おのおの異なった原因で頭に熱が上って脳や脊髄が乾いた状態になったり、血が足りなくてそれらがちゃんと働いていない当共通の状態が起きているということをさしています。

ちょっと難しいですね。

加味温胆湯(かみうんたんとう)は過労や怒りで体のみずみずしさが失われた状態で、それが脳脊髄の潤いを減らしてしまっている。

抑肝散加陳皮半夏(よっかんさんかちんぴはんげ)はストレスでイライラが続いていたために起きた熱が、上半身や頭部にこもり、それが脳脊髄の潤いを減らしている。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は貧血気味が長く続いて脳脊髄がちゃんと働いていない。

八味地黄丸(はちみじおうがん)は過労や房事過多や老齢が、腎虚という状態をつくり、脳脊髄が適度に養われなくなっている。


これらのような異なった背景によって結果的に脳脊髄が問題を起こしているわけですので、おなじボケやパーキンソンやアルツハイマーの状態でも、患者さん一人ひとりの体質に合わせた漢方方剤を処方することが大切です。


しかしですよ。。。。「漢方方剤はひとつの病名に対してひとつの漢方薬があるというわけではない」ということは、逆も真なりといえる使い方があるのです。
少しくどくなりますが。

たとえば
加味温胆湯(かみうんたんとう)は過労や怒りで体のみずみずしさが失われた状態であれば、どんな病にも使うことができる。

抑肝散加陳皮半夏(よっかんさんかちんぴはんげ)はストレスでイライラが続いていたために起きた熱が、上半身や頭部にこもった状態があれば、どんな病にも使える。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は貧血気味が長く続いている方ならば、どんな病にも使える。

八味地黄丸(はちみじおうがん)は過労や房事過多や老齢が、腎虚という状態をつくっているならば、どんな病にも使える。

要するに、おのおのの方剤の示す必須事項が合っていれば、どんな病気のときでも使ったらよい。。。ということになるのです。むしろ病名などは関係なく、その病の存在する理由の用から打ち消してゆこうという医学なのです。

この概念を使った本治法(ほんちほう)といわれる治療に加えて、実際に起きている病にアプローチする標治法(ひょうちほう)という治療法が漢方医学でも、鍼灸医学でも使われてきたのです。

私はこの治療概念に限りないロマンを感じているのです。

日本伝統鍼灸漢方
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

加味温胆湯、抑肝散加陳皮半夏、当帰芍薬散、八味地黄丸

2009-03-07 15:28:34 | 東洋医学全般
題にあげてある漢方方剤は何の薬でしょう?最近の話題の流れからいって、一番近い答えは、ボケが始まった方の漢方薬、アルツハイマー症やパーキンソン症候群の薬。。。。となります。。。。

しかし、漢方薬の使い方を病名別に勉強をされた方の中には、それは違うだろう!!と異議を訴える方もいらっしゃるに違いありません。

東洋医学の本来の発想は人を体質や環境別に区分けして、そこで生じているアンバランスを正す。そうすると「天、人、地」がうまく交流することとなって、理想的な健康体になることを目標としている。

すでに病名がつくほどのアンバランスが起きている方でも、その病の存在理由がなくなってゆくので、どんな状態の方もあきらめることはなく、その方のベストの状態になってゆく。まさに易経を代表とする東洋哲学の裏づけのある医学が東洋医学です。

たまたま挙げてみたこの4つの漢方方剤を使用する状態を書いてみましょう。


1.加味温胆湯(かみうんたんとう)
重労働やストレスで過労のかたで、疲れているのに眠れない、痰が多いほうでそこから発生した熱が慢性的に胸より上にたまっている。

2.抑肝散加陳皮半夏(よっかんさんちんぴはんげ)
きちんとした性格の方で、目は大きめで切れ長の場合が多い、自分にも厳しい変わりに人がやっていることでも気になって腹が立ちやすい。
体調がよいときは勇気があって親分肌だが、いらいらし始めると、自分が立てたきちんとしすぎた計画がちゃんと達成できないことでに自分を責めてしまう。うつ病になっている場合もある。そこで、不眠や、いらいら、肩こりなどを起こしている。

3.当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
貧血気味で痩せ型、寒がりである。血が少ないのであまり元気がない。女性なら白雪姫みたいな感じの細身色白で、あまり外に出たがらない消極的な感じがする。
女性なら生理痛が重くて、暖かい環境を好む。頭にも血が回らなくて、よくめまいを起こしている。女学校などでは健康小太りタイプの同級生に、「トロい」といじめられていたりする。そういう弱弱しい感じのこの子を秘かに好いている男子がいたりする。。。。

4.八味地黄丸(はちみじおうがん)
基本的にはご老人が多く使っている漢方薬。イメージとしては桂歌丸師匠のように、やせてて、寒そうな感じの体質改善に使う。
要は、老齢や虚労という疲労困憊の状態が長く続いて、先天的な要素を司っている、東洋的な意味合いでの腎の精とその経絡が虚している常態につかいます。
日本の医者は白内障や糖尿病の薬と決め付けている場合が多い。

確かにこれだけの説明をみたら、「ちがうだろーー」、どこにボケやアルツハイマーやパーキンソンと関連があるの?と感じてしまうのも無理はありません。

日本伝統鍼灸漢方




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする