徳島文理大学などの研究グループは、アオサノリなどの海藻の成長促進物質を使った短期間の培養に成功したと発表しました。
ノリは昔からおにぎりや巻き寿司に欠かせないものですが、天然ノリは採取や養殖によって収穫されてきました。このうちノリのつくだ煮などの原料となるアオサノリは、海水と淡水が混じりあう河口などで養殖されていますが、天候や水質などの影響を受けやすく、安定して生産できる技術の開発が課題となっていました。
研究グループは、海藻の成長を促進する「サルーシン」という物質に注目し、アオサノリの種が入った海水に一定の量を加える実験を繰り返しました。
このサルーシンという化合物は、2005年に緑藻類の付着共生バクテリアの培養液から発見されたもので、専門的に言うとラプダン型ジテルペンという仲間に属する面白い構造を持った化合物です。このようにテルペンという骨格の中にピリジン環が入り、分子内に3個もカルボン酸があるという興味深い構造を持っています。
この物質の葉状形態形成促進活性は非常に強く、驚くほど少量で効果を示すようです。ボウアオノリやアナアオサに対しては、最小有効濃度が1ag/mlと記載されていました。
最初このagという単位がよく分かりませんでしたが、aは数値を表す接頭語であることが分かりました。余談ですが、通常はグラムやメートルの前に1000単位の記号を付けます。大きい方ではk(キロ)me(メガ)gi(ギガ)などがあり、小さい方ではm(ミリ1000分の1)μ(マイクロ)n(ナノ)p(ピコ)などがあります。
これは一つ進むごとに1000分の1ずつ小さくなりますので、1ngは10億分の1グラムとなります。これはさらに進んでいき、ピコの次がf(フェムト)で次がa(アト)ということを知りました。これだけ小さい接頭語を見たのは初めてでした。
ですからサルーシンは、1グラムを琵琶湖36杯分の水で薄めても活性が出るという驚くべき活性です。研究グループはこのサルーシンを合成したようですが、ごくわずか取れれば十分ということで研究を進めたようです。
この添加実験により生育が早まり、通常収穫できるようになるまでに4か月かかるのに、約2か月に短縮できたほか、水層でも養殖可能になったということです。
アオサノリを水槽で養殖する技術の開発に成功したのは初めてで、研究グループは、安定した生産につながる可能性があるとして、今後各地の養殖業者などと実用化に向けた検討を進めるようです。研究グループは、年間を通してアオサノリを養殖できる可能性があり、気候に左右されない新しい方法論が提案できるとしています。
ノリは昔からおにぎりや巻き寿司に欠かせないものですが、天然ノリは採取や養殖によって収穫されてきました。このうちノリのつくだ煮などの原料となるアオサノリは、海水と淡水が混じりあう河口などで養殖されていますが、天候や水質などの影響を受けやすく、安定して生産できる技術の開発が課題となっていました。
研究グループは、海藻の成長を促進する「サルーシン」という物質に注目し、アオサノリの種が入った海水に一定の量を加える実験を繰り返しました。
このサルーシンという化合物は、2005年に緑藻類の付着共生バクテリアの培養液から発見されたもので、専門的に言うとラプダン型ジテルペンという仲間に属する面白い構造を持った化合物です。このようにテルペンという骨格の中にピリジン環が入り、分子内に3個もカルボン酸があるという興味深い構造を持っています。
この物質の葉状形態形成促進活性は非常に強く、驚くほど少量で効果を示すようです。ボウアオノリやアナアオサに対しては、最小有効濃度が1ag/mlと記載されていました。
最初このagという単位がよく分かりませんでしたが、aは数値を表す接頭語であることが分かりました。余談ですが、通常はグラムやメートルの前に1000単位の記号を付けます。大きい方ではk(キロ)me(メガ)gi(ギガ)などがあり、小さい方ではm(ミリ1000分の1)μ(マイクロ)n(ナノ)p(ピコ)などがあります。
これは一つ進むごとに1000分の1ずつ小さくなりますので、1ngは10億分の1グラムとなります。これはさらに進んでいき、ピコの次がf(フェムト)で次がa(アト)ということを知りました。これだけ小さい接頭語を見たのは初めてでした。
ですからサルーシンは、1グラムを琵琶湖36杯分の水で薄めても活性が出るという驚くべき活性です。研究グループはこのサルーシンを合成したようですが、ごくわずか取れれば十分ということで研究を進めたようです。
この添加実験により生育が早まり、通常収穫できるようになるまでに4か月かかるのに、約2か月に短縮できたほか、水層でも養殖可能になったということです。
アオサノリを水槽で養殖する技術の開発に成功したのは初めてで、研究グループは、安定した生産につながる可能性があるとして、今後各地の養殖業者などと実用化に向けた検討を進めるようです。研究グループは、年間を通してアオサノリを養殖できる可能性があり、気候に左右されない新しい方法論が提案できるとしています。