ごっとさんのブログ

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ホメオパシーは本当に医療か?

2018-06-03 10:41:53 | 
先日ホメオパシーに関する記事を読みましたが、聞いたことがある程度の認識でした。

ホメオパシーとは、簡単に言えば有効成分を非常に希釈した溶液を砂糖玉に染み込ませた、レメディという薬?により病気を治療するという方法です。

このホメオパシーはドイツ人医師のハーネマンが創始者とされています。彼は19世紀の医療に強い疑問を持ち、自分を実験台としてマラリアの治療薬のキニーネを飲んだところ、マラリアと類似した症状が出たようです。このような実験を繰り返し、「健康な人にある症状を引き起こす物質は、その症状を示す病人を治すことができる」という法則を発見しました。

しかもその物質は希釈すればするほど効果が上がるという結果でした。ハーネマンが提唱したこの「医療」は、19世紀前半にかけてヨーロッパとアメリカに広まり、多くの医師がホメオパシーを採用し、各地に専門の病院が作られたようです。

この時に使用する有効な物質は、植物、動物、金属、鉱物にいたるまで様々ですが、問題はその希釈法です。レメディを作る際には、物質の成分を溶かし出した母液を100倍に薄める操作を30回繰り返すのが普通とされています。

ここまで希釈すると、元の成分は分子単位まで考えたとしても、全く入っていないと言えます。ホメオパシーではこの希釈した水には、「有効成分の情報を記憶している」という全く科学的ではない説明がなされているようです。つまりここで使うレメディは単に水を加えた砂糖玉以上のものではないということになります。

こう書くとホメオパシーという治療法は、現代医学が確立する前の怪しげなものということになりますが、そう言い切れない部分もあるようです。

事実ヨーロッパでは現在も医師がレメディを処方することがあり、例えばスイスでは2016年からホメオパシーに健康保険が適用されています。またイギリスの複数の大学にはホメオパシーを専攻する講座があり、ベルギーでは人口の半数がホメオパシーを利用しているそうです。

このレメディの有効性は、いわゆるプラセボ効果と思っていましたが、それ以上の有効性が確認されたという論文が権威ある学術誌に掲載されました。科学的には単なる砂糖玉が、プラセボ効果以上に効くことはあり得ないのですが、なぜ現在でも支持している人が多いのか不思議な気がします。

標準医療に対する不信が広がると、代替医療が幅を利かせるという構図が現代にも残っているのかもしれません。

この記事を見てからネットで調べると、レメディを販売している業者もあれば、日本ホメオパシー学会というものまで見つかりました。もしかしたら科学では説明できない不思議なものなのかもしれません。