日本では少子高齢化が問題といわれてかなり経っていますが、どうもこれは日本だけではなく世界的な傾向のようです。
合計特殊出生率とは、女性が生涯に産む子供の平均数を表します。これが2であれば、一人の女性が平均2人の子を産むことを意味しますので、若年死も考慮すると、人口を維持するためには、これが2を若干上回ることが必要となります。
世界銀行の統計によれば、2016年度の全世界の出生率は2.44であり、世界の人口は増加傾向にあると言えます。ただし1968年の出生率は4.92であり、半世紀で半減したことになります。
出生率は生活水準が向上すると減少する傾向を持ち、世界の先進国は軒並み2を下回っています。相対的に高いことで知られるフランスでも1.96で、アメリカは1.82、福祉国家として知られるスウェーデンでも1.85、イタリアは1.35と日本より低くなっています。
日本では少子化の原因を、新婚層の安定雇用や育児環境整備の不足に求める声も多く、優先的な対応が必要です。これが進めば先進国での上位の水準、出生率で言えば1.8程度まで改善するのは夢ではありません。
アジアの新興国を見ると、まず人口13億の大国である中国は1.62、経済発展の著しいシンガポールは日本を大きく下回る1.20、マレーシアは2.03、タイは1.48、理想的な人口ピラミッドを持つインドネシアで2.36、インドはそれより若干低い2.32となっています。
いずれの国でも出生率はこの50年間にほぼ半減しています。なぜこういった人口減少が進むかというと、もともと生活水準と産児数が負の相関を持つことは、人間の生物学的特性に基づく事実であると考えられます。
マウスなどの動物を、実験下で食糧不足の状態に置くと、多産化する傾向が認められます。栄養が十分とれる環境では少数の子を産み大切に育て、そうでなければなるべく多く生むことは、哺乳類の多くにとって種の存続のため合目的的な面があることは否めません。
これを裏付けるように、生活が豊かで安定化すれば少産化し、貧困状態にあれば多産になる傾向は、時代と地域を横断して広く人類社会にも見られます。飢餓の心配のないレベルになると少子化が進むという、世界各地で出生率が減少している根本的な要因といえます。
日本の少子高齢化の進行が速いのですが、韓国ほど劇的ではなく、中国との比較でもその速度は大差ありません。多くの国が遠くない将来少子化問題に直面します。日本が少子化に適応した社会政策を成功させれば、世界の模範となりうるでしょう。
とはいっても具体的な方策というのは、かなり難しい課題といわざるを得ません。
合計特殊出生率とは、女性が生涯に産む子供の平均数を表します。これが2であれば、一人の女性が平均2人の子を産むことを意味しますので、若年死も考慮すると、人口を維持するためには、これが2を若干上回ることが必要となります。
世界銀行の統計によれば、2016年度の全世界の出生率は2.44であり、世界の人口は増加傾向にあると言えます。ただし1968年の出生率は4.92であり、半世紀で半減したことになります。
出生率は生活水準が向上すると減少する傾向を持ち、世界の先進国は軒並み2を下回っています。相対的に高いことで知られるフランスでも1.96で、アメリカは1.82、福祉国家として知られるスウェーデンでも1.85、イタリアは1.35と日本より低くなっています。
日本では少子化の原因を、新婚層の安定雇用や育児環境整備の不足に求める声も多く、優先的な対応が必要です。これが進めば先進国での上位の水準、出生率で言えば1.8程度まで改善するのは夢ではありません。
アジアの新興国を見ると、まず人口13億の大国である中国は1.62、経済発展の著しいシンガポールは日本を大きく下回る1.20、マレーシアは2.03、タイは1.48、理想的な人口ピラミッドを持つインドネシアで2.36、インドはそれより若干低い2.32となっています。
いずれの国でも出生率はこの50年間にほぼ半減しています。なぜこういった人口減少が進むかというと、もともと生活水準と産児数が負の相関を持つことは、人間の生物学的特性に基づく事実であると考えられます。
マウスなどの動物を、実験下で食糧不足の状態に置くと、多産化する傾向が認められます。栄養が十分とれる環境では少数の子を産み大切に育て、そうでなければなるべく多く生むことは、哺乳類の多くにとって種の存続のため合目的的な面があることは否めません。
これを裏付けるように、生活が豊かで安定化すれば少産化し、貧困状態にあれば多産になる傾向は、時代と地域を横断して広く人類社会にも見られます。飢餓の心配のないレベルになると少子化が進むという、世界各地で出生率が減少している根本的な要因といえます。
日本の少子高齢化の進行が速いのですが、韓国ほど劇的ではなく、中国との比較でもその速度は大差ありません。多くの国が遠くない将来少子化問題に直面します。日本が少子化に適応した社会政策を成功させれば、世界の模範となりうるでしょう。
とはいっても具体的な方策というのは、かなり難しい課題といわざるを得ません。