京都大学などの研究グループは、サンゴの白化・死滅を防止する効果がある化学物質を発見したと発表しました。
近年は気候変動の影響でサンゴが多数死滅し、絶滅の恐れが指摘されています。サンゴは植物プランクトンの一種である渦鞭毛藻と呼ばれる微細藻の仲間である「褐虫藻」などと共生し、褐虫藻から栄養を吸収しています。
しかし地球温暖化による海水温の上昇や黒潮蛇行による海水温の変化といったストレス、細菌感染にさらされると、褐虫藻が逃げ出したり死滅して白化し、栄養不足で死滅してしまいます。2016年には、世界最大のサンゴ礁であるオーストラリアのグレートバリアリーフにおいて、約50%のサンゴが死滅するという史上最悪の白化現象が起きました。
私はオーストラリアには行ったことがないのですが、20年ほど前に海洋関係の研究所に出向した時一度はサンゴ礁を観察しておいた方が良いということで、石垣島の比較的浅い海にあるサンゴ礁に行ったことがあります。
この時がシュノーケリングというのを始めてやったのですが、海に浮かんでサンゴ礁を見ているだけで本当に素晴らしいものでした。その後この研究所の関連で沖縄本島やパラオ、フィジーといったところに行きサンゴ礁も見ましたが、この石垣島のサンゴ礁がその密度(見渡す限り一面のサンゴ)や色鮮やかな種類といった点で一番よかったような気がしています。
これはぜひ家族にも見せてやりたいと思っていたのですが、結局良いチャンスはありませんでした。
今回の研究では、サンゴの死滅や白化は、温暖化による高温ストレスのために異常に産生された活性酸素種により引き起こされたのではないかと、研究グループは推測しました。そこで活性酸素を消去するために設計されたレドックスナノ粒子(RNP)の活用を検討しました。
RNPは、中分子量ポリマーに抗活性酸素剤であるニトロキシドラジカルが共有結合した構造を取っており、正常細胞の電子伝達系などに障害を与えず、過剰に産生した活性酸素のみを選択的に消去することができます。
実験では褐虫藻がいない状態のアザミサンゴの幼生(プラヌラ)に、この直径40ナノメートルのRMPの微細な粒子を投与しました。RMPがない場合、培養8日目のプラヌラの生存率は20%だったのに対し、粒子を投与すると80%以上に向上しました。
研究グループは今後、海洋中に散布した時に拡散せず、サンゴにだけ限定的に作用する手法などを探っていくようです。これが現実的な方法となるのか難しそうな気もしますが、あのすばらしいサンゴ礁を守る手法をぜひ開発してほしいものです。
近年は気候変動の影響でサンゴが多数死滅し、絶滅の恐れが指摘されています。サンゴは植物プランクトンの一種である渦鞭毛藻と呼ばれる微細藻の仲間である「褐虫藻」などと共生し、褐虫藻から栄養を吸収しています。
しかし地球温暖化による海水温の上昇や黒潮蛇行による海水温の変化といったストレス、細菌感染にさらされると、褐虫藻が逃げ出したり死滅して白化し、栄養不足で死滅してしまいます。2016年には、世界最大のサンゴ礁であるオーストラリアのグレートバリアリーフにおいて、約50%のサンゴが死滅するという史上最悪の白化現象が起きました。
私はオーストラリアには行ったことがないのですが、20年ほど前に海洋関係の研究所に出向した時一度はサンゴ礁を観察しておいた方が良いということで、石垣島の比較的浅い海にあるサンゴ礁に行ったことがあります。
この時がシュノーケリングというのを始めてやったのですが、海に浮かんでサンゴ礁を見ているだけで本当に素晴らしいものでした。その後この研究所の関連で沖縄本島やパラオ、フィジーといったところに行きサンゴ礁も見ましたが、この石垣島のサンゴ礁がその密度(見渡す限り一面のサンゴ)や色鮮やかな種類といった点で一番よかったような気がしています。
これはぜひ家族にも見せてやりたいと思っていたのですが、結局良いチャンスはありませんでした。
今回の研究では、サンゴの死滅や白化は、温暖化による高温ストレスのために異常に産生された活性酸素種により引き起こされたのではないかと、研究グループは推測しました。そこで活性酸素を消去するために設計されたレドックスナノ粒子(RNP)の活用を検討しました。
RNPは、中分子量ポリマーに抗活性酸素剤であるニトロキシドラジカルが共有結合した構造を取っており、正常細胞の電子伝達系などに障害を与えず、過剰に産生した活性酸素のみを選択的に消去することができます。
実験では褐虫藻がいない状態のアザミサンゴの幼生(プラヌラ)に、この直径40ナノメートルのRMPの微細な粒子を投与しました。RMPがない場合、培養8日目のプラヌラの生存率は20%だったのに対し、粒子を投与すると80%以上に向上しました。
研究グループは今後、海洋中に散布した時に拡散せず、サンゴにだけ限定的に作用する手法などを探っていくようです。これが現実的な方法となるのか難しそうな気もしますが、あのすばらしいサンゴ礁を守る手法をぜひ開発してほしいものです。