ごっとさんのブログ

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「老衰」による死亡が増加

2019-06-07 10:27:19 | 自然
老衰による死が増えているようです。

戦後の1947年には老衰による死亡者は7万8000人超でしたが、2000年には2万1000人余りまで減少を続けました。それが最近では増え続け、2017年には10万1000人超となりました。

死亡原因のランキングにも変化が及んでいます。厚生労働省の「2017年人口動態統計(確定数)」をみると、死亡総数134万397人のなかで、老衰は悪性新生物(ガン)、心疾患、脳血管疾患に続く4位でした。前年3位だった肺炎が5位に下がり、老衰の順位が上がりました。女性だけを見ると、老衰は3位になっています。

この原因は高齢化社会の進展などいくつかの要因がありますが、大きく二つのことが言えそうです。一つは「病院死」が減り「自宅」や「介護施設」での看取りが増えたことです。

死亡した場所の割合を2005年と2017年で比較すると、病院・診療所が82.4%から7.6ポイント下がった一方、施設は2.8%から7.2ポイント、自宅は12.2%から1ポイントそれぞれ増えています。

もう一つは、延命治療を望まない患者や遺族が多くなったからと考えられます。この老衰とは何かといえば、ひとことで言えば「自然死」と言えるようです。

具体的には加齢によって身体機能が低下して死を迎えることになります。一般的に人の死は、その形態によって何種類かに分類されており、自然死、病死、災害死、事故死、自殺、他殺などとなっています。

医学的に見た場合の死の原因は、死に至る基本的病態によって分けられています。例えば消耗死、ショック死、脱水死、呼吸不全死、心不全死、中枢障害死、事故死などです。このような死に至るには、その原因となった疾患があり、死因にはそれが記載されることになっています。

このような直接の死因がない場合「老衰死=自然死」とされます。厚生労働省の死亡診断書記入マニュアルによると、死因としての「老衰」は、高齢者で他の記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死の場合のみ用いるとなっています。

戦後長い間「老衰」は減り続けました。医学が発達したため、昔は老衰で済ませたものでも、何らかの疾患が発見されるようになったからで、医学的にはその疾患の病名を死因とすることになります。

高齢の方が自宅や施設で亡くなった場合、かかりつけの医師に死亡診断書を書いてもらう必要がありますが、特に不審な点がなければ、特定の病気が見つかることがないわけです。

この記載する死因にはいろいろ難しい原則があるようですが、高齢者の場合正式な死因を見つける必要はなく、自然死とすることが良いような気がします。ですから最近老衰が増えてきたという事は良い傾向であり、私もできれば老衰で死にたいと考えています。