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老化研究者が指摘する老化を遅らせる方法

2021-07-23 10:25:24 | 健康・医療
最近多くのメディアが老化を取り上げるようになり、タンパク質の老化産物と言われるAGEを頻繁に見かけるようになってきました。

私はこの「AGE」が本当に老化に関わっているのかは、まだ疑っていますが、これだけいろいろ取り上げられているとある程度の科学的根拠があるのかもしれません。

終末糖化産物と言われるAGEを調べてみると、予想外に多くの低分子化合物が出てきます。高分子であるタンパク質と糖が結合してできるものですので、当然高分子になると思っていたのですが、AGEも代謝され低分子化していくのかもしれません。

こういった低分子AGEがどんな生理作用を持っているのか分かりませんが、一般的には高分子の糖化されたタンパク質が悪さをしているようです。ここでは昭和大学医学部の老化に関する仮説を紹介します。

老化とは体の主要な構成因子であるタンパク質の劣化であり、タンパク質の品質が維持されれば、老化のプロセスが抑えられることは研究でも明らかとしています。このタンパク質の品質を劣化させる引き金が、糖化と酸化です。

糖化とは体内で過剰になった糖がタンパク質に結合し、これが長年続くとタンパク質が変性して劣化した物質AGEになり、その蓄積が老化を促進させます。

これは非常によく出るAGEの一般的な説明ですが、タンパク質は常に代謝されており、この蓄積するタンパク質がどういうものなのかの説明はありません。

また酸化は物質が酸素と結合して変化することで、酸素の一部が「活性酸素」に変わり、過剰になると慢性炎症を起こしタンパク質を傷つけます。

活性酸素は生体内にある抗酸化酵素などにより速やかに除去されますが、酵素もタンパク質なので、糖化でAGEが増えれば活性酸素の除去を十分に行われなくなります。

すべての細胞の表面にはAGEと結合する鍵穴(RAGE)が存在し、AGEがRAGEと結びつくと細胞に慢性炎症が起こるとしています。このカギ穴であるRAGEというのは新しい概念のようです。

AGEの増加による老化は、見た目の変化はもちろん、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病など多くの病気の発症リスクを上昇させます。オランダで7万人以上を追跡した研究では、開始時は健康であってもAGEの体内量が多い人は、4年後の死亡率が5倍高いとの結果も出ているようです。

このAGEを蓄積させない様な食事が出ていましたが、白米のようにGI(糖化インデックス)が高いものは控え、加熱調理した食品を減らすといったよく言われていることだけでした。

結局ここでもAGEというのはどんなものなのかは曖昧なままで、それが代謝分解されるのかなど全く触れていませんでした。AGE研究は盛んに行われているようですが、あまりAGEの本質に触れるようなものはないような気がしています。


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