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若者と老人の記憶力には差が無いという新しい説

2022-09-21 11:06:50 | 自然
歳を取ると記憶力が低下し、物忘れがひどくなるというのは、老化で当然のことと思っていました。

しかし最近の研究によると、若者と年配者に記憶力に大差はないという報告が出ているようです。脳機能上は75歳くらいまでは記憶力はさほど衰えませんが、「覚えようとする意欲」が急激に衰えるとしています。

米タフツ大学のグループは、次のような実験を行いました。18〜22歳の若者と60〜74歳の年配者を64人ずつ集め、多数の単語を覚えてもらった後に別の単語リストを見せ、それらの単語が元のリストにあったかどうかを尋ねました。

この時これは心理学の実験ですと説明していた時には、若者と年配者の正解率はほとんど変わりませんでした。ところがテスト前に「この記憶試験では、高齢者の方が成績が悪い」と告げておくと、年配者グループの正解率の実が大幅に低下したとしています。

この実験でフラットな状態では、若者と年配者の記憶力に大差はないのが、「高齢者の方が成績が悪い」という先入観を植え付けられると、年配者は記憶する意欲を失い、記憶力が減退するようです。

この程度の先入観で意欲がなくなるとは思えませんので、私はこの実験結果に賛同できませんが、あまり正解率に差が無いという部分は面白い結果といえます。

若いころ英単語を覚えるのに単語帳や単語カードを繰り返し見て、記憶していたことがありますが、そのくらいの努力をしないと覚えることはできません。一般に中年以降そんな努力をしたことはないような気もします。

こういった努力を怠ると、人間の身体や脳は「廃用現象」が起きて、使わない筋肉が衰えていくのと同じように、使わない記憶力は衰えていくのです。脳科学的には「脳はいくつになっても鍛えることができる」ということが21世紀になって立証された新たな常識です。

これはロンドン大学の研究者が、タクシー運転手の記憶力に注目し、脳の比較研究をしたところタクシー運転手は脳の「海馬」が一般人より大きく発達していることを報告しています。

心理学では記憶を「記銘」(入力)、「保持」(貯蔵)、「想起」(出力)の3段階に分け考えています。この記銘だけではなく保持と想起を心掛けることも脳力維持にとっては重要です。

「保持」に必要なことは「復習」することで、記憶を定着させるにはとにかく復習することが大切なようです。途中省略しましたのでやや分かりにくい文章になってしまいましたが、覚えようとする意欲とその実行力があれば、脳は発達していくことは確かなようです。

この復習という点では他人に話すことで、定着するという説もあります。もう私は人と話す機会が減っていますが、じっくり話ができるのも今のうちなのかもしれません。


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