ごっとさんのブログ

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座りすぎ症候群は本当にあるのか

2017-10-15 10:29:00 | その他
最近ネットの記事やその他の報道の中に、座りすぎが体に悪いという話がよく出ています。

これはいつどんな研究から始まったのか調べてみましたが、あまりはっきりしたことはわかりませんが、1時間座り続けても寿命が何分か縮まるといったやや極端なものがかなり出てきます。

どうもその元となっているのはオーストラリアの研究機関の発表のようですが、詳しいところはわかりませんでした。この疫学研究は22万人を対象にしたものとされており、「座る時間が一日11時間を超えると、座る時間が4時間未満の人より死亡リスクが40%高まる」と発表されたようです。

現代は多くの仕事やテレビ、PC等に座り続けることが多いので、その警鐘のようですがそれに多くの人が乗っているような気がします。またアメリカの研究では、余暇のテレビ視聴などによる座位時間が一日2時間未満の成人を基準にした場合、2〜4時間未満、4時間以上と座位時間が増えるにつれて総死亡リスクが11%ずつ上昇し、冠動脈疾患死亡リスクが18%上昇するという報告もあるようです。

こういった研究結果の都合の良い部分だけを取り出し、座り続けることは良くないという論調になっているようです。座りすぎの生活は、細胞の寿命や老化に関連するテロメアの劣化を招くという研究者までいるようですが、この辺りになるとやや疑わしいような気もします。

こういった研究に対しては、そんな結果が出ることもあるのか程度で、あえて反論するほどのものではないと思っています。もともと健康という問題は非常に大きく無限ともいえるほどの切り口があります。

そのうちの一つを取り出して、何かと関連があるかどうかを調べるのが疫学調査ですので、正反対の結論が出る可能性も大いにあります。つまり今回のように座っている時間に注目すると、対象が肥満かどうか、喫煙者か、持病を持っているかなど非常に多くの要素を無視して、分類しますので死亡リスクという大雑把なものとの関連は、調査時間や密度等によって大きく変わる可能性がある訳です。

例えばコーヒーを飲むと老化防止になるという結果も出れば、調査方法を変えるだけである病気のリスクが高まるという結果も出ますので、コーヒーが健康に良いかというのは判断できなくなるわけです。

私はこういった疫学調査研究を否定するわけではありません。一般に年単位の長時間の観察が必要ですので、時間と費用が膨大なものとなります。その後の解析も対象者が多いほど大変な作業となるわけです。

こういった身近な問題はマスコミも取り上げやすいし、極端な意見を持った人もいますので、あまり深刻に受け止めないことが必要だと思っています。

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