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「前立腺ガン」治療方法で死者数に差なし

2023-07-15 10:35:06 | 健康・医療
高齢になってくると前立腺ガンの可能性は増加してくるようです。私は基本的には前立腺ガンは進行も遅く、放置しても問題ないだろうと思っています。

大学時代からの友人(77歳)が1年ほど前に前立腺ガンが見つかり、最新のロボット支援手術を受けました。その後問題なく過ごしていたようですが、先月仲間でオンライン飲み会をやった折に、PSA値が急激に上昇しており、放射線治療を受けることになりました。

症状などあまり詳しいことは聞けませんでしたが、放射線は1回15分ぐらいで週5日、32回受けると言っていましたので、かなり大変な治療となるようです。

これが手術で取ったのに再発したのか転移したのか分かりませんが、やはりガンというのは個々によって大きく違うものという気がします。彼がこの放射線治療で完治することを祈っています。

さてオックスフォード大学などの研究チームが、転移のない前立腺ガン治療で、監視療法と全摘手術、放射線治療の三つの治療法を比べた結果を報告しました。

手術には勃起障害や失禁、放射線には排尿困難や頻尿などの副作用が伴うため、研究チームは治療法を選ぶ際には、治療効果と副作用のバランスを検討すべきと指摘しています。

英国内の9施設で、1999〜2009年に転移のない前立腺ガンが見つかった2664人のうち、11〜21年の間に追跡できた1643人を対象に解析しました。その結果定期的な検査を受ける監視療法を選んだ545人のうち、前立腺ガンで死亡したのは17人(3.1%)でした。

一方前立腺の全摘手術では553人中12(2.2%)が、放射線治療では545人中16人(2.9%)が死亡しました。このようにそれぞれの治療群で明らかな差は確認されませんでした。

この1643人で死亡した人について、死因が前立腺ガンだけでなく、他の疾患だった例も含めて調べると、監視療法は124人(22.8%)、全摘手術は117人(21.2%)、放射線治療は115人(21.1%)とこの調査でもほとんど差がありませんでした。

研究チームは、今回の研究ではいずれの治療法を選択してもガンによる死亡率は低いことが明らかになったと結論付けています。ただし診断時の年齢別で見ると、65歳未満では監視療法と手術で前立腺ガンの死亡率が低く、65歳以上では手術と放射線で死亡率が低かったようです。

この結果を見ると、PSA検査をするだけで何の治療もしない監視療法でも死亡率が上がらないのは、前立腺ガンの一般的性質のような気がします。

かなり体に負担がかかり、その後も副作用などでQOLが低下してしまう手術や放射線より、監視療法の選択肢が上がりそうな気がします。


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