このところインフルエンザの患者数が増加しているということもあり、風邪をひいたときに処方されることもある抗生物質の問題点を指摘する専門家の記事が目につきます。
インフルエンザなどの風邪はウイルスが原因ですので、細菌に効果のある抗生物質の処方は意味が無いというのは確かなことです。ただ私としては若干の反論があります。
ひとつは風邪はウイルスが原因ですが、かなりの頻度で複合感染となっています。つまりウイルスに感染すると、身体の免疫機構がこのウイルスを排除するのに手いっぱいとなり、その人に住み着いている常在菌が増殖してしまうのです。
よくあるケースは、ウイルス感染でかなりの発熱や頭痛、激しい咳などがでて、病院に行って薬を処方され数日で治まってきます。ところが熱や激しい咳は治まったものの、若干の喉の痛みや軽い咳が続いてしまうことがあります。
こういった軽い症状はかなり長期間続くことがあるようです。この軽い症状は、もうウイルス感染ではなく常在菌の増殖による細菌感染症です。従ってここで抗生物質を飲めば簡単に治るはずです。ところがこういった現象をほとんどの医師は理解していません。
これはある意味当然で、ひどい症状が出て病院に行っても、それが治まって軽い症状となっても医師にかかる患者はほとんどいないでしょう。つまり医師はこういった軽い症状の患者を診る機会はほとんどなく、そういった経験を積むことがないことになります。
ですから風邪をひいた場合は、ひどい症状がなくなってきたタイミングで抗生物質を飲むというのが正しい対処法と考えています。もうひとつが抗生物質を乱用すると、耐性菌が増えるという問題です。
これは別に間違ってはいないのですが、若干意味が違って理解されているようです。多くの微生物(細菌など)には薬剤に対して抵抗性を示す耐性菌は多数存在します。これは微生物遺伝子の突然変異によって起こるものです。
突然変異は言葉の通り偶然起きる物であって、何か目的をもって変異することは全くありません。確かに抗生物質を使用すると、原因菌のなかにある耐性菌以外が死滅しますので、その後は耐性菌が増殖します。
結果的に見ると抗生物質の使用で耐性菌が増えますが、これと抗生物質が耐性菌を生み出すという事が混同されているような気がします。前述のように突然変異でできてくる耐性菌は、抗生物質とは無関係にできてくるものです。
長くなってしまいましたので、この耐性菌の問題と抗生物質の使い方など次回に続きます。
インフルエンザなどの風邪はウイルスが原因ですので、細菌に効果のある抗生物質の処方は意味が無いというのは確かなことです。ただ私としては若干の反論があります。
ひとつは風邪はウイルスが原因ですが、かなりの頻度で複合感染となっています。つまりウイルスに感染すると、身体の免疫機構がこのウイルスを排除するのに手いっぱいとなり、その人に住み着いている常在菌が増殖してしまうのです。
よくあるケースは、ウイルス感染でかなりの発熱や頭痛、激しい咳などがでて、病院に行って薬を処方され数日で治まってきます。ところが熱や激しい咳は治まったものの、若干の喉の痛みや軽い咳が続いてしまうことがあります。
こういった軽い症状はかなり長期間続くことがあるようです。この軽い症状は、もうウイルス感染ではなく常在菌の増殖による細菌感染症です。従ってここで抗生物質を飲めば簡単に治るはずです。ところがこういった現象をほとんどの医師は理解していません。
これはある意味当然で、ひどい症状が出て病院に行っても、それが治まって軽い症状となっても医師にかかる患者はほとんどいないでしょう。つまり医師はこういった軽い症状の患者を診る機会はほとんどなく、そういった経験を積むことがないことになります。
ですから風邪をひいた場合は、ひどい症状がなくなってきたタイミングで抗生物質を飲むというのが正しい対処法と考えています。もうひとつが抗生物質を乱用すると、耐性菌が増えるという問題です。
これは別に間違ってはいないのですが、若干意味が違って理解されているようです。多くの微生物(細菌など)には薬剤に対して抵抗性を示す耐性菌は多数存在します。これは微生物遺伝子の突然変異によって起こるものです。
突然変異は言葉の通り偶然起きる物であって、何か目的をもって変異することは全くありません。確かに抗生物質を使用すると、原因菌のなかにある耐性菌以外が死滅しますので、その後は耐性菌が増殖します。
結果的に見ると抗生物質の使用で耐性菌が増えますが、これと抗生物質が耐性菌を生み出すという事が混同されているような気がします。前述のように突然変異でできてくる耐性菌は、抗生物質とは無関係にできてくるものです。
長くなってしまいましたので、この耐性菌の問題と抗生物質の使い方など次回に続きます。
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