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コロナの陰でスーパー耐性菌の流行拡大

2020-11-23 10:26:29 | 健康・医療
新型コロナが世界的に猛威を振るう中、あらゆる薬剤に耐性を持つこともあるスーパー(超多剤)耐性菌カンジダ・アウリスの感染が一部で拡大していると医師たちが警鐘を鳴らしています。

カンジダ・アウリスは特に院内感染で広がりやすく、今年はコロナ患者であふれる医療現場に大きな負担がかかっているためです。カテーテルや人工呼吸器、流動食など、体内に管を挿入するときに感染するリスクが高いようです。

カンジダ属の真菌は、もともと舌や性器に白い斑点ができる程度の軽い症状を引き起こすことで知られていました。ところがカンジダ・アウリスは2009年に報告されてから、少なくとも40か国で報告され数千人の患者が出ています。

日本型の病原性は低いものの、致死率が30〜60%に上るタイプもあります。2019年CDCはカンジダ・アウリスを米国の薬剤耐性菌の中でも最大級の脅威と位置付けました。

この記事の中では触れていませんが、カンジダは細菌ではなく酵母に近い微生物と分類されています。当然ほとんどの抗生物質は効果がなく、抗真菌剤の一部が効く程度で、カンジダによく効く薬はもともとほとんどないのが現状です。

またカンジダが病原菌であることを調べるには、菌の培養・単離・同定が必要で、通常の病院がそこまで調べることは少なく、通常の細菌感染症として扱っているのかもしれません。

大病院ではスーパー耐性菌による死者数をある程度特定することは可能ですが、院内感染しやすいという点が問題を複雑にしています。

病院では患者はコロナなどのほかの病気にかかっているため、死因がその病気によるものなのか、こういった耐性菌によるものなのかを判断するのが難しいようです。

2019年世界保健機構(WHO)は薬剤耐性菌を人類の健康に影響を与える10大脅威のひとつにあげ、今や簡単に治療できるようになった結核や淋病すらも制御できない世界へ逆戻りしてしまうのではとの懸念を示しています。

米国微生物学会の学術誌に掲載された論文では、カンジダ・アウリスはおそらく気候変動によって誕生した初めての真菌感染症かもしれないとの見方を示しています。感染症にかかると、ヒトは防御反応として発熱する傾向があり、菌は熱に弱いためです。

カンジダ・アウリスのような真菌が地球温暖化により高温の環境に適応すれば、その防御反応も効かなくなる恐れがあります。つまり将来的には既存の真菌が拡大するだけでなく、新たな真菌感染症が現れるかもしれないとしています。

この辺りはにわかに信じがたいことですが、カンジダ類は細菌に比べて熱に強いことは昔から知られています。しかしコロナ感染症と思っていても、このような菌の複合感染が起きると死亡率が上昇するというのは、恐ろしい事ではあります。


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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2020-11-28 18:26:39
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/102800632/?ST=m_news

この記事の盗用。
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