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性別産み分け技術を開発

2019-08-29 10:20:10 | 自然
哺乳類でオスとメスを産み分ける方法を、広島大学の研究チームが開発し、マウスやウシなどで実証しました。

特別な装置を使わずに精子の性染色体の違いを利用して、高い割合で産み分けることに成功し、技術的にはヒトへの応用も可能なようです。

哺乳類の性別は、XとYの二つの性染色体で決まります。X染色体が二つだとメス、XとY染色体が一つずつだとオスになります。卵子はX染色体が一つですが、精子はX染色体をもつもの(X精子)とY染色体を持つもの(Y精子)があります。

X精子が受精すればメスになりY精子ならオスになります。X精子とY精子は同じ数つくられ、これまで機能に差はないと考えられていました。

チームは精子のもととなる細胞からX精子とY精子ができる過程に着目し、遺伝子を網羅的に調べX精子のみにある受容体を発見しました。精子の尾の部分にあり、刺激すると精子の動きが抑制されました。

精子形成過程と染色体分配の仕組みは、精巣内で精子幹細胞を起源として産生されます。精子幹細胞は体細胞分裂をするとともに、一部の精子幹細胞が減数分裂過程に移行することで、精子形成が開始されます。

減数分裂に移行した精子幹細胞は、染色体が分配された二次精母細胞となり、精子細胞へと分裂します。この後はかなり複雑なシステムとなっていますが、精子幹細胞中にあるXとYの染色体が必ず分かれるように二つの精子細胞となるわけです。

従って必ず同数でき、X精子とY精子は全く同じ性質であるとされていたのです。それがX精子のみに存在する受容体が見つかったことから、試験管に培養液とマウスの精子を入れて、受容体に結合する薬剤を加えると、約1時間後にはX精子のみが動かなくなり沈殿しました。

このX精子は薬剤を洗い落とすと再び動き出すことも確認できました。上にあがってきたY精子と、沈殿したX精子を洗浄したものに分けてそれぞれ体外受精させると、8割以上の確率でオスとメスを生み分けることができました。

ウシの場合でも9割の確率で成功したようです。今回の研究では、同じ細胞が分裂してできるXとYの細胞間になぜ受容体に差が出るのかも、特殊な顕微鏡を用いた実験で確認していますが、ここでは省略します。

このように安全な薬剤を添加するだけで、X精子とY精子を分離できることは、実験的なものだけでなく酪農の分野などにはすぐ応答可能と期待されています。

私はこの成果をヒトに使う事にはあまり賛成できませんし、そういった必要性もないと感じています。やはり生殖というのは、自然に任せることが重要のような気がしています。



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