ほぼすべての脊椎動物に共通するフェロモン受容体ファミリーに属する遺伝子を発見という、研究成果を東京工業大学の研究グループが発表したのは、2018年のことでした。
すべての生物は、自分を取り巻く外界からさまざまな情報を受け取り、それによりどのような行動をとるかが変わってきます。
情報として受け取っているシグナルは大きく2つあり、ひとつは化学物質で、それを頼りに情報を受容する味覚や嗅覚は化学感覚と呼ばれています。もうひとつが光、音、熱、圧力などの物理的なシグナルで、その情報を受容しているのが視覚、聴覚、触覚などの物理感覚です。
フェロモンは化学物質ですが、一般的には「色気」や「性的魅力」とほとんど同じような意味で「フェロモン」という言葉が使われています。これはフェロモンの主な研究が、性フェロモンであったため、フェロモンは異性を惹きつけるというイメージが浸透したのかもしれません。
世界で初めて確認されたフェロモンは、カイコ由来のボンビコールでした。これはメスのカイコが産生し放出すると、これを受容したオスのカイコは放出源であるメスに近づき交尾姿勢を取ります。
実際には他にも様々なフェロモンが見つかっており、アリなどの昆虫では「道しるべフェロモン」、仲間に危険を知らせる「警報フェロモン」や「集合フェロモン」「分散フェロモン」などが見つかっています。
フェロモンの定義は「ある動物個体が体の外に発し、同種の他の固体に受容され、特定の反応を引き起こす物質」とされており、相手は異性とは限らないのです。
哺乳類ではげっ歯類のフェロモンに関する知見が多く、特にマウスではフェロモンにより発情の促進、妊娠阻害、性周期の同調などが引き起こされます。一般にフェロモンを使う動物では、主に鼻腔の下部にある鋤鼻(じょび)器の神経細胞でフェロモンを感知しています。
その情報が脳に伝わると、受容したフェロモンに応じた行動が引き起こされます。フェロモンは代謝産物であるため、げっ歯類においても尿や汗などの分泌物から発見されることがほとんどでした。
ところが東京大学のグループは、オスのマウスの涙腺からフェロモンが出ていることを突き止めました。通称「涙フェロモン」と呼ばれるこのESP1という物質は、性フェロモンとして機能します。また分泌しているオスにも作用し、オスらしさをアップさせていました。
さてこのフェロモンはヒトではどうなのか、古くから探索する試みが行われてきましたが、今のところフェロモンと確定された物質はありません。ヒトは言語というコミュニケーション手段が発達したため、フェロモンの必要がなくなったようです。
ヒトフェロモンがあると面白いような気がしますが、受容器官すらなくなっていますので無理なことなのかもしれません。
すべての生物は、自分を取り巻く外界からさまざまな情報を受け取り、それによりどのような行動をとるかが変わってきます。
情報として受け取っているシグナルは大きく2つあり、ひとつは化学物質で、それを頼りに情報を受容する味覚や嗅覚は化学感覚と呼ばれています。もうひとつが光、音、熱、圧力などの物理的なシグナルで、その情報を受容しているのが視覚、聴覚、触覚などの物理感覚です。
フェロモンは化学物質ですが、一般的には「色気」や「性的魅力」とほとんど同じような意味で「フェロモン」という言葉が使われています。これはフェロモンの主な研究が、性フェロモンであったため、フェロモンは異性を惹きつけるというイメージが浸透したのかもしれません。
世界で初めて確認されたフェロモンは、カイコ由来のボンビコールでした。これはメスのカイコが産生し放出すると、これを受容したオスのカイコは放出源であるメスに近づき交尾姿勢を取ります。
実際には他にも様々なフェロモンが見つかっており、アリなどの昆虫では「道しるべフェロモン」、仲間に危険を知らせる「警報フェロモン」や「集合フェロモン」「分散フェロモン」などが見つかっています。
フェロモンの定義は「ある動物個体が体の外に発し、同種の他の固体に受容され、特定の反応を引き起こす物質」とされており、相手は異性とは限らないのです。
哺乳類ではげっ歯類のフェロモンに関する知見が多く、特にマウスではフェロモンにより発情の促進、妊娠阻害、性周期の同調などが引き起こされます。一般にフェロモンを使う動物では、主に鼻腔の下部にある鋤鼻(じょび)器の神経細胞でフェロモンを感知しています。
その情報が脳に伝わると、受容したフェロモンに応じた行動が引き起こされます。フェロモンは代謝産物であるため、げっ歯類においても尿や汗などの分泌物から発見されることがほとんどでした。
ところが東京大学のグループは、オスのマウスの涙腺からフェロモンが出ていることを突き止めました。通称「涙フェロモン」と呼ばれるこのESP1という物質は、性フェロモンとして機能します。また分泌しているオスにも作用し、オスらしさをアップさせていました。
さてこのフェロモンはヒトではどうなのか、古くから探索する試みが行われてきましたが、今のところフェロモンと確定された物質はありません。ヒトは言語というコミュニケーション手段が発達したため、フェロモンの必要がなくなったようです。
ヒトフェロモンがあると面白いような気がしますが、受容器官すらなくなっていますので無理なことなのかもしれません。
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