ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

ある喫煙者の肺ガンの記録

2023-10-03 10:35:40 | 健康・医療
ヒトにはいろいろな「嗜好」があり、中には健康にとってマイナスに働くものも少なくありません。「酒」「スナック菓子」「甘いもの」などは、度を越してしまうと健康への悪影響を及ぼすことは広く知られています。

「タバコ」は言うまでもなくその代表格で、さまざまな有害物質が呼吸器に与えるダメージについては、議論の余地がありません。

今回の主人公は15年前に57歳だったFさんです。人間ドックの結果「肺気腫の疑いあり、要精密検査」と記されていました。喫煙者のFさんは大きな病院でCT検査や肺機能検査などを受け、その結果医師から「肺気腫に加え、肺の一部に3センチほどの淡い陰影が認められ、COPD合併肺ガンの効能性が高い」と診断されました。

慢性気管支炎と肺気腫を合わせたCOPD(慢性閉塞性肺疾患)は、90%以上が喫煙の影響で発症するとされています。高血圧、心疾患、糖尿病、貧血などを合併しやすく、特に気管支喘息、肺線維腫、そして肺ガンの原因にもなることが明らかになっています。

Fさんの最終的な診断は「COPD合併肺ガン」で、縦隔リンパ節に転移が認められステージは3Aでした。肺機能低下に加え、境界型糖尿病、高血圧症もあったことで「手術は不能」との判断になりました。

担当医と相談した結果入院して、放射線療法と化学療法の併用治療を受けることとなりました。副作用が予想されるため放射線治療は1回の線量を減らし、週5回、8週間かけてゆっくりと行う計画です。

化学療法も肺毒性の少ないものが選択され、こちらも少量投与をじっくり続ける方針が取られました。すべての治療が終わると、幸いにも肺ガンの進行は止まり、退院後には体調を見ながら仕事への復帰も果たしました。

当然COPDについては、現代の医療では完全に治すことはできません。呼吸を楽にするための気管支拡張剤、炎症を鎮め痰を切れやすくする薬剤などを使用しながら、呼吸リハビリを併用し、進行を遅らせたり将来のリスクを低減させたりする治療が一般的です。

COPDは機能が低下した肺を、如何に長く持たせるかが課題となるのです。このFさんは病気が分かってすぐ禁煙し、なんとか病気と共生することができていました。

ただ肺ガン治療から13年後、風邪をこじらせたときに1か月ほど咳が止まらなくなり、少し動くだけで息切れがひどくなりました。いったんCOPDになると、肺機能の低下を完全にストップさせることは難しいようです。

私も肺気腫の疑いありと診断され吸入薬を使用していますが、加熱式タバコの喫煙は続いています。何とか症状が出ずにこのまま続けられることを祈っています。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿