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身近な化合物が「子宮筋腫」を増大させるのか

2023-02-12 10:38:51 | 健康・医療
「子宮筋腫」は比較的身近病気のようで、それほど悪性ではないのですが私の母も若いころ手術を受けた記憶があります。

子宮筋腫は子宮の中や周囲にできる非ガン性腫瘍で、サッカーボールほどの大きさになることもあるようです。多くの女性がかかる病気であり、骨盤と背中の痛みや重い月経出血、あるいは生殖機能の問題を引き起こす可能性があります。

米国では15〜50歳までの女性のうち2600万人が子宮筋腫に罹っており、その半数以上に苦しい症状が表れると推定されています。薬で症状を軽くできる場合もありますが、薬が効かなかったり妊娠しにくかったりすれば手術が必要となります。

非常によく見られる病気であるにもかかわらず、子宮筋腫の理解はあまり進んでいないようです。子宮筋腫の成長には遺伝子変異や性ホルモンのバランス、年齢、人種、肥満、合成化学物質など危険因子が関連するとされているものの、筋腫がどのようにして大きくなるのかは不明でした。

2022年11月に発表された研究によると、フタル酸エステルという物質に注目し、その代謝物に子宮筋腫の細胞の成長が促進されることが分かりました。

研究チームはその原因となる分子を特定し、フタル酸エステル類と子宮筋腫を結びつける仕組みに関する強力な証拠を示しました。

フタル酸エステル類はどこにでも存在する化学物質と呼ばれ、最も広く使われているプラスチックであるポリ塩化ビニルや合成ゴムなどに、可塑剤として添加されています。食品の包装や加工機器からシャワーカーテン、建材、自動車の内装に至るまで多くの家庭用品に含まれています。

また化粧品などに溶剤として使われるほか、特定の医薬品や栄養補助食品のコーティングやカプセル化にも使用されています。

フタル酸エステル類はこれらの製品から浸み出し、食物や空気、水の中に入り込み、人間が吸収した後体内で代謝され、ヒトの尿や母乳、血液からこの代謝物が検出されています。

フタル酸エステル類はホルモンのような作用をしたり、ホルモンの作用を阻害したりすることが知られており、10年以上前から健康に関する研究の対象となってきました。

今回の実験で使われたフタル酸エステル類は「フタル酸(2-エチルヘキシル)」(DEHP)で、これはシャーレの中の子宮筋腫細胞が長く生き延び、より多く増殖することが知られていました。研究チームはDEHPの9種の代謝物を試してみました。

この詳細は省略しますが、ある代謝物は腫瘍細胞によるトリプトファンの吸収を助け、最終的に筋腫細胞の成長を促進し、子宮筋腫の肥大化につながることを明らかにしました。

こういった研究成果が出ても、すぐに化学物質を減らすことは難しく、どう対処するか大きな課題かもしれません。


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