ごっとさんのブログ

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新しいタイプの「睡眠薬」の現在

2023-02-02 10:55:18 | 
私は昔はやや寝つきが悪かったのですが、最近は寝酒を飲むこともありかなり良くなっています。

また一旦眠るとほとんど起きることがなく、明け方トイレに行くことはありますが、7時間程度で自然に目が覚めるまで良く寝ていますので、睡眠には問題がないようです。

一般には歳をとると睡眠の質が低下していき、「浅い睡眠」が増えて中途覚醒が多くなるといわれています。そのため中高年以降に不眠に悩み、睡眠薬を服用するようになる人は少なくないようです。

健康保険組合の加入者約19万人のデータを基に分析した睡眠薬の実態調査によると、40〜44歳の4.6%、45〜49歳の5.2%、50〜54歳の6.3%、65〜69歳の9.4%が睡眠薬を処方されており、加齢とともに処方率が高くなっています。

なお一般的に「睡眠薬」とは医療機関で処方される薬剤を指し、ドラックストアなどで市販されているいわゆる「睡眠改善薬」は完全に別物となっています。

市販のものは抗ヒスタミン薬の副作用として生じる強い眠気を利用したタイプで、医療用の睡眠薬とは成分も作用機序も全く異なっています。医療機関で処方される睡眠薬には大きく4つのタイプがあります。

1.バルビツール酸系(ラボナなど)、2.ベンゾジアゼピン系(デパス、ハルシオンなど)、3.メラトニン受容体作動薬(ロゼレムなど)、4.オキシレン受容体拮抗薬(ベルソラムなど)。

1900年代に世界初の睡眠薬として開発されたバルビツール酸系は、大脳皮質や脳幹に作用して脳の覚醒を抑えることで眠気を催します。しかし依存や耐性が生じやすく、過量に服用すると呼吸中枢がマヒする危険がありました。

そこで1960年代にベンゾジアゼピン系が登場し、長らく主流となってきました。薬理作用はGABA受容体に作用し、GABAという抑制性の神経伝達物質の働きを亢進させることにより睡眠作用をもたらします。

しかし近年になってベンゾジアゼピン系には依存性があるうえ、さまざまな副作用が現れることが分かり、長期にわたる濫用が問題視されています。

このタイプは患者が効いてほしいタイミングでしっかり効果が出て、すぐに眠れる睡眠薬といいますが、依存が生じやすいという欠点を有しています。

厚生労働省は近年医療機関に対し用量と使用期間について注意喚起を行い、同一用量で1年以上継続して処方している場合に、処方料・処方箋料の減算規定を設けています。そうした状況から現在の睡眠薬に主流になっているのがメラトニン受容体作動薬となってきました。

不眠症治療のゴールは、薬なしで眠れるようになることですが、どの睡眠薬も依存性の問題は避けられず、医師の細かい指導が重要となっているとしています。


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