ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

健康寿命を延ばす治療法はあるのか

2021-11-07 10:37:29 | 健康・医療
近年老化研究は非常に盛んになっているようです。このブログでも老化は病気であるという説を取り上げています。

最近の趨勢は健康寿命を延ばすことは可能であるとなっていますが、健康寿命という概念は非常にいい加減な気がします。男性は72歳とされていますが、私も含めて友人などは皆これ以上の歳になっていますが、元気に暮らしています。

老化は病であり、治療や予防ができる可能性があると考えられるようになったひとつの流れが示されています。世界保健機構(WHO)の疾病分類体系のなかに「老化(エイジング)」が組み込まれました。

これは老化は病気であるという認識が、医療の世界で広まりつつある現状を反映しているようです。抗老化の研究が急に増えたきっかけのひとつが、1993年に出た線虫と呼ばれる動物の実験でした。「Daf-2」という一つの遺伝子を変更するだけで、寿命が約2倍も伸びたのです。

ほかの寿命関連遺伝子の探索が動物実験で盛んに行われるようになり、たくさんの寿命関連遺伝子が見つかりました。同時に動物で見つかった寿命関連遺伝子に相当するヒトの遺伝子の探索も行われました。

その結果エネルギー代謝に関係する遺伝子や、インスリンに似た物質のシグナル伝達に関係する遺伝子などが、寿命の延長や短縮に関連すると分かってきました。

こういった遺伝子の働きを高めたり、抑えたりする薬を投与することで、寿命を延ばすことができないかのヒトでの臨床研究が行われています。

2000年代に入るとアカゲザルを使った実験で、中高年期にカロリーを減らすと、加齢とともに増える疾患が減ったり、発症年数が遅くなったりして寿命が伸びるという結果が出ています。

老化についてはいろいろと課題があり、まだ統一した診断基準や老化度の分類がありません。これについてはまだ医療機関が、老化を真剣にとらえていない証拠のような気もします。老化度の分類がないため、治療効果を標準的に評価することができません。

指標となる血管の硬さや、骨密度、筋力や歩行スピード、ホルモンの血中濃度、認知機能検査などいろいろ測定はされていますが、そういった物を総合した指標が全くできていないのが現状です。

老化の原因についてもさまざまな説がありますが、老化は複数の要因が複雑に絡み合って起きている点が難しくなっているようです。「老化細胞」の蓄積などいろいろ取り上げられていますが、まだ単なる研究の域を出ていないようです。

なぜ老化細胞ができるかなども徐々に解明は進んでいるようですが、まだ老化を病気として捉え治療するというところまではかなり距離があるような気がします。

私は老化は病気でなく、単なる自然現象と思っています。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿