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病気でない「加齢現象」を治療?

2021-06-09 10:24:02 | 健康・医療
歳をとってくるといろいろと身体に不調が生じるといわれていますが、私は今のところこれといって調子の悪いところは出ていません。それでも重いものもって歩いたり急ぎ足で歩くと息が切れるのは加齢現象と言えそうです。

厚生労働省が行った高齢者の調査結果が出ていましたが、いろいろ面白い内容を含んでいます。2017年の「高齢者の健康に関する調査」に現在の健康状態を聞く質問があります。

これについて「よくない」と回答した人は65〜69歳で13.0%でした。年齢と共にその割合は多くなり、70〜74歳で19.1%、75〜79歳で26.2%、80歳以上で28.9%となっています。80歳以上でも健康状態が良くないと回答した人が3割に満たないというのは意外な感じもします。

一方でこれとは様相が異なるデータがあります。2019年の「国民生活基礎調査」では、病気やけがなどの自覚症状がある人(有訴者率)は80歳以上で、人口1000人あたり511.0と半数を超えます。

また通院している人(通院者率)は同じく80歳以上で730.3と7割を超えています。健康状態が良くないと回答する人は3割弱にとどまるのに、有訴者が半数もおり、通院者が7割を超えるというのは不思議なことと言えます。

調査した年や方法が違うとはいえ、なかなか説明が難しい結果と言えます。これはよく解釈すると、通院しているために健康が保たれていると考えることもできます。

しかし多いのは、「自分は健康だと思っているが、病気と診断されたので病院に通っている」というケースではないでしょうか。

例えば健康診断で生活習慣病の疑いあり(高血圧、高血糖、脂質異常、不整脈など)と診断され、「医者が言うなら病気なのだろう」と信じて通院し続けているような、「作られた病人」がかなりいるのではないかとも思えます。

また健康という自覚はあるものの、腰が痛い、肩がこるといった理由で、通院している人も多くいます。有訴者が挙げた理由の上位5つに、男女とも「腰痛」「肩こり」「関節痛」が入っています。

問題はこれらが「病気」なのかということです。つまり医療の対象とし健康保険を適用して治療行為を施すのが適切かどうかです。歳を取ればほとんどの人に高血圧や高血糖の傾向は出ますし、腰痛や関節痛にもなります。

これらは完治するものではなく、ゆっくりと進んでいきます。つまり「病気」ではなく、単なる「加齢現象」ではないかと考えられます。

健康と自覚している人の4割以上が通院しているという数字は、加齢現象を病気と認定して過剰医療を施している可能性を示しているような気がします。

こういったことが高齢者の医療費が年々増加している一因と言ってもよいのではないでしょうか。


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