ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

人間は健康な状態がふつうである

2014-09-18 23:24:54 | 健康・医療
昨日はコンサートというより小さな会場でのライブ演奏を聴きに行ってきました。私は首都圏に住んでいるのですが、東京まで出ると上京するという田舎者になり、かなり疲れました。楽しかったのですが。

病気を治すのは自分自身であるという副題をつけていますが、その機構について書いてみます。
人間だけではなく、たぶんすべての動物は恒常性維持機能、すなわち健康な状態を保つ機能を持っています。小さなところでは、例えばちょっと激しい運動をすると、呼吸や脈拍が早くなりますが、ちょっと休めば通常の速さに戻ります。こういった現象と病気が治るのとは違うと感じるかもしれません。炎症が起きて発熱したり痛みを伴ったりしますが、これはいわば異常な状態であり、いろいろな機能が使われて元の状態に戻そうとする点で、早い呼吸がもとにもどるのと本質的に変わらないわけです。

人間にとって最も恐ろしい病気が、感染症と総称される病原菌といわれる微生物によって引き起こされる病気です。(がんにつては別な項目で) 薬の世界でもいかに病原菌をやっつけるかが最大の課題で、抗生物質の発見までこれが続きました。現在ではほとんど聞くことがなくなった、チフス、赤痢、疫痢、ジフテリアなどはかなり重篤な病気で、結核などは不治の病とされていたわけです。人間がこれを治す機構が免疫システムです。免疫は体外から入った異物すべてに働き、細菌やウイルスのような生物でも、有害な物質であってもこれを処理して体外に排出するシステムです。大部分の微生物は、この免疫システムで殺して排除できるのですが、まれに異常に増殖が速く、免疫細胞の攻撃が間に合わなかったり、免疫細胞にやや抵抗性があったりする微生物がおり、こういった微生物による病気が上記のような重く治りにくい病気になってしまうわけです。
実は薬の分野でも病原菌である細菌を、副作用なく殺すことは非常に難しいことでした。人間と細菌とは非常に異なっていますが、生物という点では同じで、生命維持機能も本質的には似通っているのです。ですから殺菌剤として菌を殺すことができても、人間にも毒になってしまうわけです。これは消毒液として、かなり昔は医院・病院では塩化水銀が使われていましたが、あまりにも毒性が強いということでクレゾールのようなフェノール類に代わりました。少し前までは、病院のにおいとして感じていた人も多いかもしれません。今はこれも毒劇物として使用されていません。
さて現在は抗生物質によって、病原菌に効果が出ていますが、これは減らすだけであって、病原菌を消すことはできていないのです。ですから完全に完治させるのは免疫の働きです。

微生物は自然界にはどこにでもおり、体内に入ってきます。これは免疫の働きによって発病せずに済んでいるわけです。他の病気は実はそれほど多くありません(アレルギー性疾患・遺伝性疾患は別ですが)。他の病気がなぜ治らないかというと、病気の原因となる状態が収まらない、つまり運動を続けて脈拍が常に早くなっているようなものです。

感染症以外の病気の原因はかなり複合的ですので、この原因を取り除くことが難しい場合もありますが、大部分は気が付かないうちに治っているのです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿