ごっとさんのブログ

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なぜ日本は「早期ガン=手術」が定着してしまったのか

2022-08-07 10:28:19 | 健康・医療
私の歳になると友人・知人にがんが発見されることが多く、大体は早期ガンなのですが全員が手術をして切除し、ステージによっては抗ガン剤治療などを行っています。

私は75歳を過ぎましたので、どんな病気が見つかっても手術などの積極的治療はしないと決めていますが、なぜか日本は手術にこだわる傾向があるようです。

2016年と少し前のデータですが、例えば肺ガンの場合日本は95%を手術し、放射線治療が5%となっています。アメリカではこれが60%と25%であり、イギリスでも手術は53%となっており、オランダでは手術が47%、放射線が41%となっています。

この様に海外に比べて日本は圧倒的に手術の選択が高くなっており、海外では手術から放射線治療という流れがあるようですが、日本はその流れに乗っていません。

日本の昔の医療現場は、医師の裁量と自由度が高い「聖域」とされていました。診療所や開業医を中心に医療が展開され、彼らを中核に据えた日本医師会が強い政治発言力を持つ時代でした。これが1990年を境にして様相が一変しました。

つまりバブル崩壊で医療費だけが膨らみ続けることが明らかになってきたのです。2000年以降の急上昇の局面で医療の効率化が求められ、医師の裁量にゆだねられていた状態が問題視されるようになったのです。

2000年代の日本では、エビデンスを基にした「標準治療」を確立する動きが加速しました。2006年には「ガン医療の均てん化」を謳ったガン対策基本法が成立し、実績が高い治療法を示した「診療ガイドライン」がネット上で公開され、全国の医療現場に広まっていきました。

こういった対策により医療費の抑制にある程度成功し、よく言えばどんな医師にかかっても最高の医療が受けられるようになった反面、患者の意見が通りにくくなったことも確かなような気がします。

この改革には医療の中心にいるはずの患者の視点が欠落しており、一見すると均衡しているかに見える医療は、「患者不在」のままその中身が大きな変化を遂げることになりました。この延長上に現在の「標準治療」重視のガン治療となっているようです。

本来ガンは性別や年齢といったことを抜いても個人差が大きく、その患者に最も適した治療法を選択すべきものと考えています。

ところが標準治療では取れるガンはまず切除するという基準のもとに、新しい治療法が開発されているにもかかわらず、95%も手術をしているという状況が続いているようです。

この手術による身体の負担という問題は、今私なりにまとめていますので、また改めて書くつもりですが、医療の流れが固定化しているような状況は変えるべき時期に来ているような気がします。


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