生命誕生から40億年といわれていますが、最初は微生物のような単細胞生物から始まり、ヒトのような多細胞生物に進化したと考えられています。
ヒトの身体で暮らす微生物は約100兆といわれており、ヒトの細胞のおよそ37兆より圧倒的に多くなっています。太古の祖先による海から陸上への進出も、腸内に微生物がいたことで果たせた可能性があるようです。
このようにヒトの身体のいたるところに微生物は存在するのですが、それをガン治療に応用しようとする研究が行われています。固形ガンといわれる大きな塊になるガンは、その中心が酸素不足になるため壊死していくことが知られています。
ジョンホプキンス大学の研究チームは、嫌気性の微生物を使ってガン細胞を攻撃する手法を研究しています。注目したのがクロストリジウム・ノビィという酸素の無い場所を好み、本来は土の中に暮らし土の中の脂肪分をエネルギーにしている細菌です。
この細菌が血管に取り込まれた場合、そこには十分な酸素が存在するため、分裂や増殖をすることはできません。この細菌は酸素のある環境では不活性であるだけでなく、「芽胞殻」と呼ばれる硬い膜を鎧のようにまとって酸素をしのぐことができるようです。
ガン細胞に流れ着くと、この細菌は鎧を脱いで本来の姿に戻り、どんどん分裂して大増殖します。腫瘍には酸素が少なく、クロストリジウム・ノビィは人体では腫瘍の内部だけで生きていける微生物であり、この菌はガンにだけ作用することができるわけです。
腫瘍までたどり着くと、この菌はエネルギーを得るため脂肪を分解する酵素を作り始めます。この酵素にはガン細胞を壊す働きがあり、ガンだけを狙い撃ちにできるかもしれないのです。
いくつかの臨床試験では、劇的な効果を示すケースも出ているようです。ある女性は腹部の悪性腫瘍(肉腫)と、そこから肩に転移した腫瘍を持っていました。そこで肩の患部にこの菌を注入したところ、肩の腫瘍がほとんど消えてしまったのです。
残念ながらこの患者は腹部の悪性腫瘍の悪化によりまもなく亡くなってしまいましたが、この細菌の効果は希望の持てるものといえるようです。
この細菌以外にも他の研究グループによりサルモネラ菌の仲間、リステリア菌の仲間など、ガン治療に役立ちそうな微生物が複数見つかっています。こういった菌を用いた15の臨床試験が行われ、一般の治療で使用できる安全性が確かめられています。
このような微生物(嫌気性細菌)を用いたガン治療は始まったばかりですので、まだ多くの課題が残されていますが、新たな選択肢となることは確かなようです。
ヒトの身体で暮らす微生物は約100兆といわれており、ヒトの細胞のおよそ37兆より圧倒的に多くなっています。太古の祖先による海から陸上への進出も、腸内に微生物がいたことで果たせた可能性があるようです。
このようにヒトの身体のいたるところに微生物は存在するのですが、それをガン治療に応用しようとする研究が行われています。固形ガンといわれる大きな塊になるガンは、その中心が酸素不足になるため壊死していくことが知られています。
ジョンホプキンス大学の研究チームは、嫌気性の微生物を使ってガン細胞を攻撃する手法を研究しています。注目したのがクロストリジウム・ノビィという酸素の無い場所を好み、本来は土の中に暮らし土の中の脂肪分をエネルギーにしている細菌です。
この細菌が血管に取り込まれた場合、そこには十分な酸素が存在するため、分裂や増殖をすることはできません。この細菌は酸素のある環境では不活性であるだけでなく、「芽胞殻」と呼ばれる硬い膜を鎧のようにまとって酸素をしのぐことができるようです。
ガン細胞に流れ着くと、この細菌は鎧を脱いで本来の姿に戻り、どんどん分裂して大増殖します。腫瘍には酸素が少なく、クロストリジウム・ノビィは人体では腫瘍の内部だけで生きていける微生物であり、この菌はガンにだけ作用することができるわけです。
腫瘍までたどり着くと、この菌はエネルギーを得るため脂肪を分解する酵素を作り始めます。この酵素にはガン細胞を壊す働きがあり、ガンだけを狙い撃ちにできるかもしれないのです。
いくつかの臨床試験では、劇的な効果を示すケースも出ているようです。ある女性は腹部の悪性腫瘍(肉腫)と、そこから肩に転移した腫瘍を持っていました。そこで肩の患部にこの菌を注入したところ、肩の腫瘍がほとんど消えてしまったのです。
残念ながらこの患者は腹部の悪性腫瘍の悪化によりまもなく亡くなってしまいましたが、この細菌の効果は希望の持てるものといえるようです。
この細菌以外にも他の研究グループによりサルモネラ菌の仲間、リステリア菌の仲間など、ガン治療に役立ちそうな微生物が複数見つかっています。こういった菌を用いた15の臨床試験が行われ、一般の治療で使用できる安全性が確かめられています。
このような微生物(嫌気性細菌)を用いたガン治療は始まったばかりですので、まだ多くの課題が残されていますが、新たな選択肢となることは確かなようです。
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