自分の免疫システムが自分自身の身体の細胞を攻撃してしまう「膠原病」には、実に多くの症状や病気が含まれています。
私の知人の若い女性も膠原病に悩まされており、悪化すると動けなくなってしまうようでした。それが結婚して子供を出産するとほとんど症状が消えてしまったといいます。やはり女性ホルモンなどが微妙に影響しているのかもしれません。
こういった若い女性に発症しやすい難病に「全身性エリテマトーデス(SLE)」があります。全身に炎症が生じ、腎臓などさまざまな臓器に障害を引き起こしますが、近年新しい薬が登場しています。
全身性エリテマトーデスは、本来細菌やウイルスなどから身体を守る免疫が、自分の組織を誤って攻撃してしまう自己免疫疾患です。膠原病の代表的な病気で、難病にも指定されています。
皮膚にオオカミにかまれた後のような赤い紅斑ができやすいため紅斑性狼ソウといいその頭文字をとって「SLE」と呼ばれます。国内の患者は6万〜10万人程度とされ、9割が女性です。
20〜40歳代での発症が目立ち、原因ははっきりしませんが、遺伝的な要因や紫外線、感染症、女性ホルモンなどの関与が指摘されています。
症状は非常に多様で人によって大きく異なりますが、発熱やだるさ、食欲不振などのほか、両頬がチョウのような形に赤くなる「蝶形紅斑」という特有の症状が現れることがあります。
寒さで血流が悪くなり、手や足の指が白くなる「レイノー現象」や紫外線を浴びることで皮膚に発疹などができる「光線過敏症」も見られます。臓器障害では、患者の60〜70%程度に「ループス腎炎」が起き、進行すると人工透析が必要になることもあります。
初期症状は発熱や関節痛などが多く、感染症を疑って抗菌薬を服用しても熱が下がらない、蝶形紅斑が出ているといった場合はSLEが疑われます。日本リウマチ学会などは2019年に診療ガイドラインを策定しました。
適切な診断や病態に応じて治療薬を使い分ける方法が示され、早期の治療につながることが期待されています。SLEは病状が良くなったり悪くなったりを繰り返し、悪化することを防ぐために薬でコントロールします。
炎症を抑えるステロイド薬が治療の基本ですが、副作用などを考えるといかにこれを少なくするかも課題のようです。重症度によって服用する量を調節し、必要に応じて免疫抑制剤などを併用します。
2015年以降新しい薬が医療保険の適用となり、治療の選択肢が増えてきました。抗マラリヤ薬の「ヒドロキシクロロキン」は皮膚や関節の症状などの改善が期待でき、生物学的製剤「ベリムマブ」は中等以上の患者が対象となります。
このように治療の選択肢は増えてきましたが、なかなか根治するのは難しい難病となっています。こういった自己免疫疾患はまだまだ分からない部分の多い病のようです。
私の知人の若い女性も膠原病に悩まされており、悪化すると動けなくなってしまうようでした。それが結婚して子供を出産するとほとんど症状が消えてしまったといいます。やはり女性ホルモンなどが微妙に影響しているのかもしれません。
こういった若い女性に発症しやすい難病に「全身性エリテマトーデス(SLE)」があります。全身に炎症が生じ、腎臓などさまざまな臓器に障害を引き起こしますが、近年新しい薬が登場しています。
全身性エリテマトーデスは、本来細菌やウイルスなどから身体を守る免疫が、自分の組織を誤って攻撃してしまう自己免疫疾患です。膠原病の代表的な病気で、難病にも指定されています。
皮膚にオオカミにかまれた後のような赤い紅斑ができやすいため紅斑性狼ソウといいその頭文字をとって「SLE」と呼ばれます。国内の患者は6万〜10万人程度とされ、9割が女性です。
20〜40歳代での発症が目立ち、原因ははっきりしませんが、遺伝的な要因や紫外線、感染症、女性ホルモンなどの関与が指摘されています。
症状は非常に多様で人によって大きく異なりますが、発熱やだるさ、食欲不振などのほか、両頬がチョウのような形に赤くなる「蝶形紅斑」という特有の症状が現れることがあります。
寒さで血流が悪くなり、手や足の指が白くなる「レイノー現象」や紫外線を浴びることで皮膚に発疹などができる「光線過敏症」も見られます。臓器障害では、患者の60〜70%程度に「ループス腎炎」が起き、進行すると人工透析が必要になることもあります。
初期症状は発熱や関節痛などが多く、感染症を疑って抗菌薬を服用しても熱が下がらない、蝶形紅斑が出ているといった場合はSLEが疑われます。日本リウマチ学会などは2019年に診療ガイドラインを策定しました。
適切な診断や病態に応じて治療薬を使い分ける方法が示され、早期の治療につながることが期待されています。SLEは病状が良くなったり悪くなったりを繰り返し、悪化することを防ぐために薬でコントロールします。
炎症を抑えるステロイド薬が治療の基本ですが、副作用などを考えるといかにこれを少なくするかも課題のようです。重症度によって服用する量を調節し、必要に応じて免疫抑制剤などを併用します。
2015年以降新しい薬が医療保険の適用となり、治療の選択肢が増えてきました。抗マラリヤ薬の「ヒドロキシクロロキン」は皮膚や関節の症状などの改善が期待でき、生物学的製剤「ベリムマブ」は中等以上の患者が対象となります。
このように治療の選択肢は増えてきましたが、なかなか根治するのは難しい難病となっています。こういった自己免疫疾患はまだまだ分からない部分の多い病のようです。
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