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ガン検診を受けない理由は意味不明なのか

2021-12-23 10:25:17 | 健康・医療
コロナ禍になってから病院の通院者が減ったり、健康診断の受診者やもともと低いガン検診もさらに減少しているようです。

このガン検診の受診者減によって、新たなガン患者が数万人規模で発見できずにいるという推計もあります。その一方で2020年度は、毎年増加している死亡者数が減少したというデータも報告されています。

私は基本的には今回の場合は、受診控えなどにより過剰医療が減ったことと、健診で早期発見ができなかったこととのバランスが取れ、結果的には死亡者数の減少につながったのではないかと思っています。

少し前ですが内閣府が調査した「ガン検診未受診の理由」(平成28年)の結果を医師が解説している記事がありました。この医師は(たぶん医師のほとんどですが)早期ガンであれば多くのガンは治癒でき、早期ガンは自覚症状がないのでガン検診を受診すべきという意見です。

なお日本のガン検診の受診率は20〜30%程度となっています。受診しない理由で最も多いものが「受ける時間がない」が30.6%となっています。

この医師は半日休めば検診は受けられるとしていますが、健康でバリバリ働いている人がガン検診のため半休を取る気にならないというのは最もな気がします。

2番目が「健康状態に自信があり、必要性を感じない」が29.2%で3番目が「必要なときはいつでも医療機関を受診できる」が23.7%となっていました。その他4位が「費用がかかり経済的に負担になる」が15.9%、5位が「ガンであると分かるのが怖い」11.7%となっていました。

この医師はいずれも意味不明で理由にならないと切り捨てていますが、実際はこれらの理由が複合的になり検診に行かないと考えられます。この調査がどんな年代層に行ったのか分かりませんが、高齢者ではない層が多そうな気がします。

私もこういった若い世代(40,50代)こそ積極的に受診すべきと思っています。ここでは日本人のヘルスリテラシー(健康や医療に関する情報を正確に理解し活用できる能力)が低いと断定しています。

ヘルスリテラシーの国際比較調査によると、国別のヘルスリテラシーの平均点(50点満点)では、オランダが37.1点でトップ、アジアでは台湾が34.4点と最も高かったのに対して、日本は25.3点の最下位となっているそうです。

毎年日本人の100万人以上が新たにガンになるといわれており、その約3割が20〜60歳の働く世代です。この世代こそがガンの早期発見が必要で、そのための啓もう活動が行われていますが、高齢者の受診率が上がっているようです。

私はガン検診に行かない理由は決して意味不明ではなく、それなりに納得できるものと判断していますが、この辺りを解決する方策はかなり難しい課題であることは確かです。


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