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電池依存社会とリチウム電池

2019-11-15 10:32:21 | 化学
吉野彰氏がノーベル化学賞を受賞し、その業績であるリチウムイオン電池については、マスメディアなど多くの情報が出ているので、このブログでは取り上げないことにしました。

現代はPCやスマフォをはじめとして、非常に多くの機器が電池で動いているいわば「電池依存社会」と呼べるようです。すでに電気自動車は実用化され、飛行機まで電池で動かそうという動きもあるようですが、そのためには更なる電池の進化が必要とされています。

私はこの電池のメカニズムはよく分からず、なぜ小さな容器の中に大量の電気が蓄積されるのか、またどうやって電気が発生するのかの基本ぐらいしかわかっていません。

最近大型台風が発生し、幸い私のところは全く被害が出ていませんが、災害による停電時の緊急電源として、大容量電池があれば安心できるのかもしれません。こういった必要性の高いリチウムイオン電池の性能は、すでに理論的な限界に近いとも言われています。

こういった中で次世代電池の候補のひとつとして挙げられるのが「リチウム空気電池」といわれています。電気を生じさせる化学反応に、空気中の酸素を利用する電池です。

リチウムイオン電池など一般的な電池は、電気を発生させる化学反応の際に、電池の内部に含まれる物質を利用しています。そのため電池は化学反応に必要な物質の量だけかさ張ってしまいます。

リチウム空気電池は、プラス極側の化学反応に電池の外側にある空気中の酸素を利用するため、その分体積を小さくすることができます。

この研究をしている物質・材料研究機構(NIMS)によると、リチウム空気電池は同じ重さのリチウムイオン電池とくらべて、理論的に5~10倍の電気を蓄積することができるようです。数ある電池の中でもエネルギー密度の理論値は最高の部類となっています。

もうひとつが文字通りすべての部品が個体でできた「全個体電池」も次世代蓄電池の有力候補です。一般的な電池には「電解液」と呼ばれる可燃性の液体が含まれています。

この液体の中をリチウムイオンが移動することで電流が生じますが、この電解液を個体(固体電解質)に置き換えたのが全個体電池です。電解液は液漏れによる電池の劣化や発火事故の原因にもなることがあり、電解液を個体に置き換えることができればリチウムイオン電池に比べて安全性が大きく向上します。

全個体電池は熱にも強く、100℃近くでも作動し、リチウムイオン電池の60℃から比べるとより汎用性の高い実用的な電池と考えられています。その他リチウムをナトリウムに代替するナトリウムイオン電池や、マグネシウム二次電池など次世代電池が研究されています。

このような次世代電池がどのように利用されるのか見当もつきませんが、新たな電池依存社会の幕開けになるのかもしれません。


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