少し前に原子を取りあげましたが、実はこの原子が私が宇宙に興味がなくなった原因のひとつです。
宇宙に進出すれば地球にない新しいものが見つかるだろうと考えていました。ところが原子は既に知られている118種類以外は、たとえどんな宇宙であっても存在しないことが分かりました。
つまり膨大な金をかけて宇宙に進出しても、想定内の物しか発見されないことが分かり興味がなくなってしまいました。
原子の基本を確認しますが、原子は陽子や中性子で作られた原子核と、周囲を取り巻く電子から成り立っています。陽子の電荷はプラス1なので、電荷がマイナス1である電子の数は、足し合わせた電荷がゼロとなるように決まります。
この原子の持つ陽子の総数、陽子数のことを原子番号と呼びます。原子番号が変われば電子数も変わるので、それに応じて原子同士のつながり方が変わり、様々な分子が形成されます。このような原子の科学的性質を表わすために、異なる原子番号ごとに「元素」という言葉があてはめられました。
水素や鉄、鉛など天然には94種類の元素があります。地上には150万種もの動植物が暮らしていますが、生物に限らずすべての物質がこれらの元素の組み合わせでできていることになります。
古代エジプト時代から20世紀初頭までの長い間、変色せず加工性に富んだ金を他の物質からつくる錬金術という試みが盛んに行われましたが、企てはことごとく失敗しました。1919年に、アルファ粒子を窒素に照射すると、陽子が飛び出してくることを発見しました。
このとき窒素が酸素に変換されました。この反応を「原子核反応」と呼んでいます。原子核を高速で他の原子核にぶつければ、原子核反応を起こせることが分かりました。そこで効率的に反応を起こして原子核を研究するために、原子核を高速に加速する加速器の開発が始まりました。
1963年発明されたばかりのサイクロトロンという加速器を使って重水素を加速し、原子番号42のモリブデンに照射するという実験を行いました。その結果、地上では当時見つけられなかった43番元素のテクネチウムを発見しました。
これが人工的に生成された初めての元素でした。テクネチウムに加えてこれまでに61番元素のプロメチウムと85番元素のアスタチン、118番元素のオガネソンなどの29種類の元素が、人類によって生み出されました。
ただしテクネチウム、プロメチウムなど5種類は、後の研究で微量ながら地上に存在していることが明らかになりました。理化学研究所の研究グループが生み出した113番元素は、2016年にニホニウムと名付けられました。
宇宙に進出すれば地球にない新しいものが見つかるだろうと考えていました。ところが原子は既に知られている118種類以外は、たとえどんな宇宙であっても存在しないことが分かりました。
つまり膨大な金をかけて宇宙に進出しても、想定内の物しか発見されないことが分かり興味がなくなってしまいました。
原子の基本を確認しますが、原子は陽子や中性子で作られた原子核と、周囲を取り巻く電子から成り立っています。陽子の電荷はプラス1なので、電荷がマイナス1である電子の数は、足し合わせた電荷がゼロとなるように決まります。
この原子の持つ陽子の総数、陽子数のことを原子番号と呼びます。原子番号が変われば電子数も変わるので、それに応じて原子同士のつながり方が変わり、様々な分子が形成されます。このような原子の科学的性質を表わすために、異なる原子番号ごとに「元素」という言葉があてはめられました。
水素や鉄、鉛など天然には94種類の元素があります。地上には150万種もの動植物が暮らしていますが、生物に限らずすべての物質がこれらの元素の組み合わせでできていることになります。
古代エジプト時代から20世紀初頭までの長い間、変色せず加工性に富んだ金を他の物質からつくる錬金術という試みが盛んに行われましたが、企てはことごとく失敗しました。1919年に、アルファ粒子を窒素に照射すると、陽子が飛び出してくることを発見しました。
このとき窒素が酸素に変換されました。この反応を「原子核反応」と呼んでいます。原子核を高速で他の原子核にぶつければ、原子核反応を起こせることが分かりました。そこで効率的に反応を起こして原子核を研究するために、原子核を高速に加速する加速器の開発が始まりました。
1963年発明されたばかりのサイクロトロンという加速器を使って重水素を加速し、原子番号42のモリブデンに照射するという実験を行いました。その結果、地上では当時見つけられなかった43番元素のテクネチウムを発見しました。
これが人工的に生成された初めての元素でした。テクネチウムに加えてこれまでに61番元素のプロメチウムと85番元素のアスタチン、118番元素のオガネソンなどの29種類の元素が、人類によって生み出されました。
ただしテクネチウム、プロメチウムなど5種類は、後の研究で微量ながら地上に存在していることが明らかになりました。理化学研究所の研究グループが生み出した113番元素は、2016年にニホニウムと名付けられました。
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