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ジェネリックと先発医薬品との価格差は

2023-01-20 10:37:39 | 
最近では医療費を抑制するために「ジェネリック」医薬品の使用が推奨されていますが、私はほとんど使っていません。

私は長らく医薬品の開発研究に従事していましたが、その大変さをよく経験してきました。そういった新薬開発を全く行わず、特許切れになった医薬品を安価に作り売り出すという事がどうも好きになれません。

開発費用を抑えられるジェネリックは、先発薬より値段が安い点に特徴があります。ここでは実際にどの程度の価格差があるのかを紹介します。

医薬品の開発は通常9年から17年程度の時間がかかって行われます。その分開発費用も膨大となり、私が現役のころでも10年50億円といわれていましたが、最近では300億円以上かかる場合も珍しくないようです。

これに対しジェネリックは、すでに有効性と安全性が確認されている先発医薬品と同じ成分で開発されます。開発期間は約3〜5年と短く、開発費用も1億円程度に抑えることが可能です。こうした開発費用の違いが、医薬品の値段にも反映されることになります。

ただし患者に販売する際の薬品価格は、基本的に国の基準に従って決められます。他の製品と同じように、薬品も販売開始当初から時間が経てば徐々に安くなっていきますが、価格の見直しや改定も国が定める基準を基に決定されることは変わりません。

新規のジェネリックの場合、先発医薬品の5割程度に価格が抑えられることが多く、先発医薬品の4割以下に価格が抑えられているジェネリックもあるようです。

全国健康保険協会によると、例えば高血圧の薬で1日1回、1錠を目安に服用する場合、年間の薬品代は先発医薬品で1万2045円となります。これに対してジェネリックは2190円〜5475円となり、その差額は年間で6570円〜9855円にもなります。

なおジェネリックの値段に幅があるのは、同じ先発医薬品に対して複数のジェネリックが存在する場合があるためです。

糖尿病の薬なら、やはり1日1回1錠を服用する薬の場合、先発医薬品が年間で6570円なのに対して、ジェネリックは2190円でその差額は4380円となります。風邪薬などの服用期間が短い薬ですと、差額は数百円程度に過ぎなくなるため、違いが分かりにくい部分もあります。

それでも薬によっては年間で1万円程度の差額になる場合もありますので、ジェネリックと先発医薬品では値段にかなり大きな差があるといえるでしょう。

私はジェネリックは成分が同じでも、完全に同じ医薬品かというところに疑問を持っていますが、長期服用の場合などはジェネリックも選択肢のひとつになっているような気もします。


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