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若者の大腸ガンが25年で3倍に急増した背景

2023-03-06 10:32:23 | 健康・医療
20代、30代の若者の大腸ガンが増えており、高齢者のガンと比較して発見が遅れる傾向にあるようです。

大腸がん自体の総数は近年減少傾向にあり、これは大腸ガン検診が世界中で広がり、ポリープの切除などが積極的に行われるようになったこと、喫煙が減少傾向にあることなどがその理由とされています。

しかし実際に数が大きく減っているのは50歳以上の大腸ガンであり、50歳未満で見てみると患者数は増加の一途をたどっていることが指摘されています。

20のヨーロッパの国のデータからは、20代の大腸ガンの発症率が1990年には10万人あたり0.8人であったものが2016年には2.3人に、30代では2.8人から6.4人に増加したことが報告されています。

また懸念すべきはそういった若者の大腸ガンが、高齢者の大腸ガンと比較して発見が遅れる傾向にあり、がん自体の悪性度も高い傾向にあると報告されています。この理由は未だ明らかにはなっていませんが、さまざまな仮説が検証されています。

若者の大腸ガンのリスク要因として、これまで報告されているものには1日14時間以上の非活動時間、高中性脂肪、肥満、加工した肉を多く含む欧米スタイルの食事、砂糖含有飲料、1日2杯以上のアルコール、喫煙などが挙げられています。

また近年の食生活の変化が腸内細菌の変化をもたらす形で、間接的に若者の大腸ガンを増やす原因になっているのではないかとする仮説もあります。

この腸内環境の変化には食生活の欧米化だけでなく、母乳からミルクへの移行、子ども時代からの抗菌薬への暴露の増加、フードチェーンにおける抗菌薬の使用なども原因の一端を担っている可能性が指摘されています。

加工肉や赤身肉についてのメタ解析の結果が出ていますが、肉の摂取量と大腸ガンリスクが相関しているという結果があります。この研究では1日あたり140グラムというところまでは、食べる量の増加とガンのリスク増加が相関をしていることが証明されています。

こういったデータを根拠に、赤身肉や加工肉はタバコやアルコールと並んで米国ガン学会により「グループ1の発癌物質」としてリストアップされています。

これは単に加工肉が悪いという事ではなく、肉を食べる人は魚を取らない傾向にあり、魚を取らないことが発ガンリスクに影響をしていたというようなこともあるようです。

ただ私はこういった食品と発ガンリスクについては疑問を持っており、単品を多く取らなければ問題はないと思っています。また早期発見についても、高齢者の健診を単に若者に広げることは難しいでしょう。

若者への大腸ガンが増加しているという問題は、その原因も含めて詳細な研究が必要なのではないでしょうか。


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