
今回の「ワールド・ハピネス2010」での、自分にとっての目玉の1つであった「プラスチックス」の一時的な再結成。
正直、それを見た自分の感想はYESでもNOでもなかった。
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というのも、実際のプラスチックスの核であったハジメちゃんとトシちゃんが一緒に演奏したのは事実ではあったが、もう1人の重要な側面であったヴォーカルのチカは、既にトシちゃんと結婚はしたのだろうが、出てきたヴォーカルは、そのトシちゃんの実の娘で、その歌う様は微妙に「プラスチックス」のチープな良さを壊してしまっていたからである。
チカがかつてうたっていたロボット的な無機質感の良さは無く、ヒステリックな叫びの混じる「プラスチックスもどき」の過去をなぞる、なおかつへたくそなヴォーカルであって、自分の娘を単純に舞台に上がらせてしまったトシちゃんの勘違いは、過去夢中になって聴いていた自分にとっては「おいおいおい、それはルール違反だぜ。」と醒めてしまった。
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まあ、多くの聴きに来た若造と音楽に浅い人にとって、この「プラスチックス」の再結成など、その意味などわかろうも無いだろうが、まさに革命的だった80年前後の数年のイノチだった「プラスチックス」の栄光を今、再度演奏しても、それは、余り意味の無い事だったのかもしれない。

が、1981~1982年にかけて「プラスチックス」が空中分解し、メロンと立花ハジメのソロへと分離していく「日本のニューウェイヴ」の重要な未来的時代の断面を経験した自分にとって、ハジメとトシが同じステージに立つことだけでも意味があったのだ。
しかし、ハジメちゃんはただギターを演奏するだけで、全くメインのところに顔を出そうとしないし、一方でトシは30年前と変わらぬ「周囲の空気を読むなんてふざけんな!」という野放図な姿勢は健在だったが、それぞれが距離を置いて、ひたすら演奏をするだけで、顔を見合わせる事も無く、今日この場に立つ事の意味も語らず終わって行ったのが、なんだか非常にわびしかった。
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また、新曲なり、新しい進展や融合がそこにあった訳でも無く、とても悲しかった。
かつて、元気で天才だった「革命児」ハジメちゃん・ムーンライダーズの鈴木慶一さん・そして、幸宏・細野さんは、過去、素晴らしい幸宏のソロツアーで融合していたあのときを離れ、それぞれがそれぞれのたもとを分かつ世界に行ったまま、お互いに舞台の上で交流する事無く終わって行った事が、僕自身は悲しかった。
それでも、舞台裏では再会を祝って、酒を酌み交わしながら話しが盛り上がっていたならば、それを聞いてほっとしただろうが、男と女の関係のごとく、時間・時代の流れというのは残酷なもので、二度とその時点に戻れないという事があるのだというのを想いながら、夕闇もどっぷり暮れた薄暗い中演奏をするプラスチックスを見ながら、1人立ち尽くしていた。
このブログを待っておりました。どうなったのかなと。。。
再結成ブーム。ついにこのバンドもと思ったのですが、収穫はなかったようですね。
個人的には立花ハジメは好きでしたが、Low Powersあたりからシンプルロック路線にいってしまい、方向性が見えなくなってしまいました。本人もTaiyo-Sunあたりで始まったデジタル路線は、ウェブデザイン的な方向に活路を見出してNHKに出たりしていましたけど(この前見た映画ラストエンペラーでは通訳の役で出てた!)。
ということは、新作はないということでしょうか。プラスチックスのカバーアルバムで我慢するしかないかな(砂原さんのRobotが実にいい)。
おひさしぶりです。
こちらは、歳を押して「夏フェス」に行った影響が続いていて、調子がずっと悪いです。
でも、カラダ休めていますよ。
ハジメちゃんは、本当に歴史に残る「革命的」と言えるアルバムをたくさん作りましたが、「LOW POWER」と音楽を再開したのは良かったものの、正直つまらなくてガッカリしたものです。
僕も、くもおさんの言う事と同じこと思ってました。
立って聞きながら、資料には「再始動」と書いてありましたが、ステージを見るにつけ、彼らは再結成をする意志は無いんだろうなと確信しました。
無理して作っても、悪いアルバム・画期的な発展形のアルバムは出来ないだろうと思いました。
なんだか、本当に悲しくなった30年後の姿でした。
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しかし、砂原さんのカバーというのは、他の人と違って、既に「そこに在る」素晴らしい楽曲を殺すことなく、そこにどうやってオリジナルを殺すことなく、音を添えて上げられるか・・・・そういう「原曲への愛」が感じられて、さすが、砂原さんだと思います。
カバーにロクなものが無い中、原曲をずたずたにするモノが多い中、砂原さんは独自の先輩への敬意が感じられて素晴らしいですね。
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ハジメちゃんには、自分はこう思っているんです「才能というのは枯渇するモンなんだな」と。
みんなこのままで終わっては欲しくないけど、YMOみたいに様々な苦悶の果てに更に進んでいくのは異例な事で、なかなかそうはいかないものですね。
正直、寂しいと思いました。
この前、週刊アスキーを立ち読みしていたら、最後のページに昔の写真が載っていたので、あれっと思い読んだら、もうすぐアルバムを出すということでした。で、先行シングルが出ていて、さっそくアマゾンで入手して、Shureのインイヤー式のイヤフォンで聴き、彼の行こうとしている方向性が見えました。
まるで、教授のB-2 UNITのような過激路線です!素晴らしい!!ソニックアンビエントからひとつ抜け出したようなサウンドでした。
4曲のマキシシングルでしたが、すぐに好きになりました。アルバム待ちましょう。。。
僕は、そんな変化を感じなかったけど、他の3曲は聴いていないし、全体像は、アルバムを待つしかないですね。
期待しましょう!