二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡の音色をよくする方法。その3駒と皮の相性。

2021-08-03 10:06:31 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
駒は高さが大切です。

二胡の音色を色々変えてみようと、ほとんどの二胡弾きさんがやっていることだと思います。

他の弦楽器、例えばヴァイオリンなどに比べて二胡の駒は気軽に皆さん交換できますね。

ヴァイオリンなどの駒はほぼプロではなくては、うまく交換できません。

それはバイオリンの駒を置く部分が曲面になっているからでもありますし。

駒そのものが一般売りされているとはいえ、相当楽器に合わせて削り込まないと、良い鳴りにならないからです。

市販品の駒は


こんな感じでそれを下のように削り込んでいきます。

特に表板に接する部分というのは、刃物で丹念に削られています。この部分の密着度合で本当になりが変わります。

二胡の皮は、長い間弾き込んでいくうちに緩くなり伸びていきます。

そうすると少し沈むようになり、軽い凹がたになります。

そして新しい皮よりは、少し沈んだ位置になります。

そうなって来た時には最初の駒より高さのあるものが、弦の力をよく皮に伝える事になります。

駒を変える時に、みなさんのを見ていると、色々とっかえひっかえという感じがあります。

市販の駒には高さがいろいろあります。

駒を変える時には、まず、同じ木の種類の高さ違いの物を試してみてはいかがでしょうか。

高さが変わるだけで相当響きも音色も変わってくるのです。

これは良い響きだなと思った時に、その駒の高さと同じくらいな、違う樹種の物を使ってみることをお勧めします。

そうすると、鳴りは変わらないけれど音色が変わるというのが、とても分かりやすくなると思います。

この音色は良かったよ、という友達の意見で同じ駒を購入して、自分の二胡につけてはみたが、なんだか安定しない、あるいは鳴りがそれほどでもない、などという事が起きてくるのは、ご自身の楽器と友達の楽器の皮の伸びが違うからででしょう。

楽器は一台一台違いますしその上、弾き込んでいけばそれぞれの皮の、進化度も違います。

その進化の状態に合わせた駒の高さというのは、楽器を鳴らすという事においては、駒の要素(高さ、質量、形状、樹種、底面の形状)の中では、一番に大切な要素です。

高すぎれば安定せず、低すぎれば鳴らない。

その高さがぴったりと合ったときには、本当に二胡の良い音色を響かせてくれます。

まずは駒の高さというのをいろいろ試してみてください。

工房光舜堂西野和宏











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