二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

低音二胡には、専用の弓が必要です!

2021-05-12 12:35:02 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
普段私は考えもせずに、低音楽器を預かれば低音用の弓を引っ張り出して弾いてみます。

これ、もう私の中では自動的にそうなります。

そこで時々、問題が出ます。

お客様が、低音用の弓を持っていないことがあるのです。

元々からして低音楽器の販売が少ないのと、低音用の弓というのが、あまり、売られていないですね。

弦が太く成れば、当然、弓毛は強いものにならなければいけません。

一番強いのは、イタリア産でしょう。

次にほぼそれに近いくらいのが、カナダ産の黒毛です。

この二つの種類の毛は強いですから、毛の量もそれほど多く無く済みます。

私が作る時には、7,2から7,5グラムくらいの間にしています。

低音用の弓は、もう一つ  方法があります。

それは無脱色の馬毛をかなり量を多くすることです。

無脱色の馬毛でしたら、9グラムくらいにすると、そこそこ低音弦は弾くことができますが、

良が多すぎて、扱い辛くもなります。

以前私はカナダ産の黒毛の入る前には、嵐風という、低音毛を弾くための弓を作っていました。

それは竹も太くして、毛は無脱色の物と、中国産の黒毛を混ぜたものです。

これだと8グラムくらいで、低音をかなり弾きやすくできていました。

先日、以前作った嵐風の毛替えの依頼を受けまして、(低音弦は毛の痛みも早いです)お客様に毛の違いの説明をいたしましてカナダ産の黒毛に張り替えました。

お客様は却って毛の量が少なくて弾きやすくなったと喜んでおられました。

今後嵐風の張り空けをお受けした時には、カナダ産の黒毛になります。

いずれにせよ、低音二胡を弾くには低音用の弓は必要です。

ヴァイオリンの弓でチェロを弾かないのとおなじことだと考えます。

もし皆さんが通販でお買い求めになるとしたら、なるべく毛の量の多いもの、少なくとも180本以上出来たら200本(10グラム)

あるいは、無脱色の物が手に入るようでしたらそれを使ってください。ただしこの場合一度馬毛を中性洗剤で洗ってください。

ちなみに私が作った低音用の弓は、弦堂さんで発売されています。

あるいは、もし西野の張り替えた、CDMを、お持ちでAE弦に変えて低音を弾こうと思う方がいらして、もし、低音用の弓をお持ちでないなら。お手持ちの弓に毛だけ張り替えます。ただしかなり硬めの竹でないと、毛の強さに竹が負けて弾きにくいものが出来てしまいますから。一度ご連絡をください。西風か東風をお持ちでしたら、問題なく張り替えられます。


工房光舜堂西野和宏&ほぉ
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