私がヤマト二胡と名付けたタイプの楽器です。
ヤマト二胡というのは、
このように二種類の木をはぎ合わせて、複雑な音色、そして何より強く遠くまで響く音を作ろうとしたものです。
それは、以前、二胡を作り始めたころ、17年前に作った二胡があまりにも良い音でなおかつ遠くに音が飛ぶものが出来てしまったからです。
それは以前中国や楽器店さんの店長さんの依頼で作ってみた楽器でした。
胴の板6枚を交互にブラジリアンローズとバリサンダーで作り上げたものでした。
その後これを更にすすめて、このように角に来る物と真ん中の板とをはぎ合わせた、シャム柿と小葉紫檀の組み合わせの物を作ってみたのです。
爆音というより、遠鳴り、強い振動の二胡が出来上がりました。
また、現在鳴尾牧子さんが使っている小葉紫檀のCDMの楽器は、これは皆さんご存知だとは思いますが。西宮の2000人収容のホールで唯一生音で後ろの席まで音が届いて、皆さん驚いたという事がありました。
この鳴尾牧子さんの使っているのも、ヤマト二胡、小葉紫檀と小葉紫檀なのです。
同じものでも木の場所によって、硬さが相当違います。
振動も音色も違うのです。
見た目は同じ紫檀ですから、まるで一つの木でできたようですが、実はあの遠鳴りは質の違う紫檀同士の組み合わせなのでした。
なぜこんなものを作り出したかと言いますと、今や紫檀類はワシントン条約で大変厳しい輸出入の規制がかかり、中には伐採禁止されているものも多くなってきたのです。
お陰で楽器の世界では十分な紫檀類が使えなくなってきています。
そこで、私としては、製材時に余る木を再度生かせないかと考えたのです。
原木というのはただの丸太です。
それをきれいな直線の板に取っていくと、どうしても余りが出てきます。
二胡の胴を作るのに、6cmの幅の板が必要です。
原木は必ずしもその倍数ではありません、10センチの幅の板から6cmを取れば残りは4センチ、もう二胡の板には取れません。
そこでこれを2センチに切って、二つの角に使えば良いのです。
このようにして、なるべく効率的に作る事を考えてみたのです。
結果!
むしろ楽器としては特に二胡のように音が小さい楽器としてはヴァイオリン並みの音の大きさ、というよりヴァイオリンと一緒に弾いても音が消えない楽器に近づいたのです。
今回
この楽器はさらに角の所に薄い板を差し込み単に強いというより豊かな(音量も音色も)楽器を目指したものです。
これは来週から金沢のNMLさんから通販されます。
たぶん、このタイプ接ぎ合わせが複雑で、大変な時間と手間がかかります。
これは花梨と小葉紫檀、二胡は棹が花梨
低音二胡は棹がココポロです。
よいですよ===
孟さんが手放さない可能性もありますが、、
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ