二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

西野さん!もうお爺ちゃんなんだからね!

2021-05-11 11:37:02 | ■工房便り 総合 
昨年から、病床のほぉさんにさんざん言われてきました。

確かに、私は、今年は74才になります。まあ、あと現役で10年はないでしょう。何しろ二胡造りは木が硬いですから。

弓も、かなり力仕事です。あと5,6年ですかね。

この一年、コロナで、思うようほぉさんとも面会できませんでした。

本当なら、面会は親族だけなのですが、ほぉさんの「私は二胡神様からの派遣ですから、西野は神族です」という無茶ぶりで稀に面会が許されます。

いつも、ほぉさんは自分のいない状態の光舜堂のことを心配してくれていまして、昨年からちょこちょこ、今後の光舜堂の在り方を企画してくれています。

「今後お店はやらないで、楽器の調整は、みなさんに工房に来ていただくように!予約制で、休みは取ること!」
これはコロナが落ち着いたらですね。あるいはワクチンが皆さんにいきわたってから。
楽器のお試しと弓のお試しができるところが欲しいですものね。

「この2,3年で、なるべく多くの調整会をあちこちで開いて!まだ動けるうちに!」そのあとは多分移動は大変。
「二胡は本当に好きな時に好きな木で作って。注文もあわてないで待ってもらって。」

「それから、ヴァイオリンを作って!シャム柿のヴァイオリン、そしてブラジリアンローズの。それと、普通の楓のヴァイオリンも、それはなるべく安く作ってあげて!」

このヴァイオリンを安く作るというのは、ほぉさんのいう事とは思えませんでした。

いつも、楽器や弓を西野さんは安く作りすぎると、大喧嘩していましたから。

若手のヴァイオリン制作者が30万円くらいで、かなり良い楽器をつくります。それもクレモナなどにも行っていなくとも、良い楽器をつくるひとはいます。
その半額くらいで!と、ほぉさん。
その人たちに混ざって、もし私がヴァイオリンを販売しようと思うなら、人にできないことをやるのが良いのだとほぉさんは言います。
普通今日本でヴァイオリンを製作している人たちは、ヴァイオリンの材料をヨーロッパからの輸入業者の方から購入しています。本当に希には北海道のイタヤカエデや、唐檜などで作っている方もいます。

普通の楓のヴァイオリンを作るにしても、やはり楽器つくりは良い材料を手に入れることです。その点私の場合は木場にたくさんの知り合いがいますので、丸太から手に入れることができます。丸太の中の一番良い部分から作り出すことができます。

それから、これ、




シャム柿やブラジリアンローズのヴァイオリン。これは今は誰も作っていません。
もし音色を追求するとしたら、ヴァイオリンも、これらの音色が豊かに出る木材を使うべきではないかと私は考えたのです。

作ってみると、本当に良い音色です。

ヴァイオリンが何故今の楓になって来たのかという考察はまたいずれ書くにせよ、このシャム柿のヴァイオリンを弾いた人が皆さん音色の良さに驚きます。ギター制作者がブラジリアンローズやホンジュラスあるいはジリコテ(シャム柿)など様々な樹種のギター作りに挑むのが分かります。ただこれらの硬い木をこのように削りだすのは、普通の刃物ではとんでもなく大変です。何しろ硬いのです。
それを機械でなく、手で削り出すのは二胡造りで私の場合はなれていますから。その技術を生かさない手はないだろうと、思うのです。
シャム柿のヴァイオリン、そんなものは邪道だと!おっしゃる方もいるでしょうね。

と!その辺はほぉさんも考えていたみたいで、「この音色が好きな人が使えばよいでしょ」と

その他、まだまだ事務的な事やら、二胡の弓の事やら、色々計画してくれています。

工房光舜堂西野和宏&ほぉ。





Comment    この記事についてブログを書く
« 本日、無料 低音ニ胡改造ご応... | TOP | 低音二胡には、専用の弓が必... »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | ■工房便り 総合