大変ありがたいことです!と言ってもご本人にはかなりつらいことではありますが、このところ台風もものともせず、休日など何処へやら。
二胡の修理に追われています。
「9月の最初の週には使いたいのですが」言われて送られてきた二胡が、、、
外弦の金属軸が全く動かなくなっています。
これ、壊れると直しようがないのです。
金属の先端の弦を巻き付けるところの内部のギア類が完全に壊れています。
このタイプはもう廃棄(と言っても金属だけ)ですね。
同じ金属軸でも
このタイプはまだ修理の仕様があります。
あちこち削ったり、曲がっているのを直したりと手は掛かりますが、何とか直せないことも無いのです。
交換したほうが安いという事はありますが、最近ではこの金属軸もある一部のの二胡教室以外では使われていません。
~~モデルと言われて販売されているらしいですが、金属軸はみな同じものです。
この場合は、このボルト式に交換するかあるいは木軸に作り替えるか、お客様にご提案したところ、ボルト式の金属軸に交換することになりましたが、これ、棹の穴を開け直さないといけないのです。
中国で作る時には量産ですから穴を開けるにしても型も治具もあるのですが、こちらはそこから始めなければいけません。
その他
皮の張替え、人工皮は今やりつつあるのですが、この皮かなり良いところです。
なにが?と言って、何となく皮の表面が鱗一枚一枚がポコポコとふっくらんでいるのが分かりますか?
これ、とても弾力のある部分なのです。
必ずしもすべての蛇皮がこのように膨らんでいるわけではなく蛇のお腹から尻尾に移るあたりの皮がこのようにポコポコ膨らんでいる場合もあるのです。
これは、長持ちするようです。以前チェンミンさんの19年使ったという楽器の皮がこんな感じでした、弾きこみやすくなりはじめるととても良く鳴りますが、いわゆる高級皮には見えないところで、良い皮というのもありますね。
それから、
真黒黒檀の証明みたいなものですが、真黒黒檀であることで、細かい罅割れやクラックが入りやすいのです。
これは私の作った「雷神」とあるお客様の物がたまたまそのひび割れの修理で一緒になりました。
たまたま、という事では、ある西洋楽器店さん方が見えていて、この黒檀の直し方を見たいと。
そこで細かい黒檀の粉や使うボンドの話で盛り上がりました。
それからまだ届いていない二胡の胴割れ、CDMへの張替え、和胡の落下による木軸の破損など、これらが一段落しないと松脂も作れません。
でも、やはり作業としては私には楽しいです。
なにより、これから来る運送での胴割れ二胡、お客さまが、こういう時にはやはり信頼できる光舜堂さんにと言ってもらえるのは、大変幸せなことです。
楽器の修理は信頼ですから。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ