二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

自分で治せる二胡講座( 駒)

2010-05-07 08:46:50 | ■工房便り 総合 
言うまでもなく、駒は非常に大切。

二胡の音調整ではある意味万能薬と言える。

みなさん勿論御存じだろうが、

現在の中国製の楽器では、雑音はあるのが当たり前という考え方が有る。

ある意味、二個は、雑音が出やすい、多角形という形をもっている。

そして、そのヨーロッパの楽器なら、雑音と言われてしまう、だみ声ならぬだみ音の良さが

二胡、と言えなくもない。

が、丁寧に、吟味された作りの二胡ならば、演奏に、差しすぁりのあるような、雑音は出ないはず。

現に、演奏家たちや、先生方の持っている二胡には違和感のあるような雑音は無い。

私も、フェルトを抜いてもちゃんと鳴る楽器にいくつかは出会っている。

(次の機会に雑音のことは書かなければ、)

既に皆さんのお持ちの楽器の中には、雑音で困っている人も、

少なくは無いと思う。そこで。

≪駒は、相性が合えば、雑音を消すことができる。≫

一つには、駒の種類を変えてみる。

勿論皆さん、さんざんやっていることだろう。

良いところまでいくんだけど、でもという駒に出会ったとき。

駒を少し、低くくすると、かなりのところまで、雑音が消えることが多い。

特に、第2ポジションの薬指あるいは、小指のあたりの雑音。

これは、駒の底を、紙やすりの200番くらいで少しづつ削っていくと、無くなる、

高さに出会うことが良くある。

原因は、皮がまだ張ったばかりで(作ってから1,2年)まだ新しい場合、

皮と駒がなじんでいなくて、弾き方の斑、によって弾んでしまうことによる。

自分が弾くと、雑音が有るが、先生が弾くと雑音が出ない、などという時。

この時に、駒の底を少し削る。

すると、雑音の無い高さに出会う。

≪気をつけなければいけないこと≫

駒を削る時、硬い真っ平らなものの上で削らないこと。

平らな板の上に、晒しか、タオルの薄いものを敷いて、その上に紙やすりを置く、

そして、駒を、回転させながら、削る。

すると、駒の底が、軽くおわん状に削れる、力入れすぎないこと。

≪削りすぎた時は≫

勿論普段やらないことだから失敗もあるだろう。

それも怖くて、駒削りなんかとんでもないという人も多いはず。

削りすぎ怖くない。

治せるから。

� 駒を削った時に、紙やすりの上の削りくずを、取っておくこと。
  その削りくずを、ホワイトボンドで練り込み、駒の底に塗る。
  駒の底へホワイトボンドを塗っておき、集めた削りくずをふりかけ、
  押して固めても良い。
  駒の種類によっては、アロンアルファーの方が良い場合もある。
  紫檀や黒檀等の硬い駒の場合。

� そうは言っても、削りくずが紙やすりに食い込んで取れない場合もある。
  その場合、お線香を粉になるまで叩いて崩し、これを、上記と同じように駒に塗る。
  これは、昔から、カンナの台と刃物の間の調整に使われてきた。
  お線香の粉ともち米(ボンドでも可)を練り合わせるて駒の裏に塗る。
  不思議と、木との相性が良く、粉の量の調整で、柔らかくもなり硬くもなる。

この方法があれば、みんな、削りすぎは、怖くは無い。

駒が高いと、皮を押しすぎ、出なくても良い音が出る、それが雑音になる、

だから弾き込んでいくに従って雑音が出なくなるのもある。

あるいは、何年か使っていて、ある日弦を変えたりしたときに、

急に雑音が出てきたりする場合もある。

これは駒の場合もあるが、木と皮の緩みという場合が多い。

この時には、光舜堂二胡クリニックへ、御来院ください。


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