二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

胡弓の弓の改良!

2025-01-14 11:51:40 | ■工房便り 総合 
胡弓の弓です。
下が 従来の形です。
もう400年以上この形でした。
この直角に曲がっているのは、一番外の弦を弾くのにこの形が必要なのです。
ところが、この形の難点は、引き弓と押し弓で弾き具合が変わる事なのです。
押し弓の時にどうしても弓の先端が弾んでしまいます。
それは曲げるために支点が出来て、そこで弾んでしまうのです。
それもあって、胡弓はとても弾きにくく良い音を出しにくいのです。
これは、擦弦楽器全てに言えるのですが、どうしてもアップボウ(押し弓)の弾きにくさが出やすく、ヴァイオリンなどもこのアップボウが弾きやすいのは良い弓の一つの基準となるようです。
特にこの胡弓の弓はこの形状から弾きにくいものです。
その弾きにくい弓を何とか脱力で弾いていく、そこにプロとしての技術が有るのだ!という、職人気質に依存していたのが胡弓です。
今回、風の盆の演奏者に頼まれまして、弓を作る人も少なくなり、何とか弓を作る技術を継承できないかとのことでお話をいただいたのですが、、、
そうなるおと、ものつくり根性で一杯の私とネオちゃんですから、もっと弾きやすいものは作れないのか?
とこの5カ月ほど、いろいろ試してきました。
出来上がったのが
この上の形です。
たったこれだけですが、角がないために(支点がない)全体を一つのアール曲線として作る事で支点を無くしました。
これで押し弓でも弾まなくなります。
更に、今までは竹だけで作られていたため柔らかな弾みが出来てしまい、撓りはあるが反発力のないものでした。
そこで、竹と木とを組み合わせることで反発力を作り出しました。
竹で出来た弓と言えば、和弓ですね。
和弓は竹の柔らかい撓りと、木の板の反発力を合わせることであれだけの強さの弓が出来上がったのです。
弓と言えば、勿論フェルナンブーコです。
ただあまりにも少ない材料なのと高額!
良い弓を作るのには、高い木ですと20万円を超えます(材料費だけで)
流石に使いにくく、胡弓奏者の木場大輔さんには一本だけフェルナンブーコで作り大変評価はされたのです。
そこで、他の紫檀、コーキ・小葉紫檀を使ってみたのです。
紫檀は曲がりますから。
たぶん、この価格で小葉紫檀を使えるところはそんなにないでしょうね。
光舜堂はかなりの量を持っていますから(唯一、人様に誇れるのは良い材料をたくさん持っているという事でしょう、お陰で二胡も100.200万円というバカ高い値段で売らなくて済んでいます、あれは高すぎですね)
多分この胡弓の弓、楽やさんという楽器屋さんから発売始めますが、光舜堂でも発売始めます。
弾きやすいですよ!
そして良い音なのです。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ


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