二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

音色はどこから?

2011-03-03 11:31:08 | ■工房便り 総合 
楽器の音色というのはどこから来るのでしょうか?

音色というのは、凄くあいまいな言葉なのかもしれません。

確かに音色というのはありますし、二胡に限らずどの楽器も演奏家によってもその音色が変わります。

ある音楽の一部のメロディーを取り出して、何人かの演奏家の音を聴き比べたとすると、二胡の場合他の楽器の場合より、その音色の違いが解りやすいということはあります。

二胡の場合は演奏家の使っている楽器そのものの違いがかなりありますから。

たとえばバイオリンの場合、アマティータイプ、ストラデバリウスタイプ、グァルネリタイプなどいくつかの形の違い、もちろん楽器の質の違いもありますが、使っている木そのものは、楓、スプルス、そして指板に黒檀という事での違いはありません。

ですから、プロは別としても、かなりバイオリン曲の大好きな方だとしても、一部のメロディー聞いただけで、どの演奏家の音色というのは解りにくいのではないでしょうか?(もちろん聞き分ける方もいらしゃると思います、一般的な意味ですのでご了承ください)

二胡の場合は、そこそこ二胡曲聴いている人なら、これは誰の弾いている音色ということまでは分からなくても音色の違いははっきり解ります。

演奏家それぞれによって、使う楽器の形も違えば、木も違うし、皮も違うからです。

二胡の場合私が見ただけでも、10種類以上の木が使われています。

音色が違うのは当然ですね。

パドウク、チンチャン、パーローズ、マコーレ、ボアデロッソ、ベトナムチーク、レッドサンダー、バリサンダー、ブビンガ、パーロッサ、マダガスカルローズ、ここまでが所謂紫檀や紅木として売られています。

花梨、インド花梨、海南花梨

真黒、縞黒檀、フィリピン黒檀、インドネシア黒檀。

これらは、現在使われている二胡の材料です。

それにつけ足して、光舜堂では、ブラジリアンローズ、ホンジュラスローズ、ホンジュラスマホガニー、シャム柿、ブラジル花梨、胡桃、欅、そしてオバンコール。

なんだかずいぶん増やしてしまったようです。

これではどれがホントの二胡の音色というのはかなり難しいのではないでしょうか?

元々二胡そのものが、中国全土に多種多様な形で、作られていました。

丸い胴の物、6角形の物、竹の筒の物等々大きさも色々でした。

1950年代に国を挙げての改革の中で、二胡も今の形6角形になったようです。

只それで完成したわけではありません、そのあと引き続いて、音のボリュームを求めて8角形が誕生し、偏8角形なども作られるようになりました。

今では中国では、8角形はあまり作られていないようです。むしろ日本でその比較的クリアーな音色はこのんで弾く人もいます。また材料の点でも8角形の二胡が作られるころに黒檀がその材料として参加してきています。しかしこの黒檀も中国では紫檀や紅木に比べるとだいぶ少なくなってきています。

ボリュームの点でも、6角形もかなり大きな音が出るように改造されてきた為でしょうか。二胡の発祥の地での二胡の音色というのは、紫檀系の6角形の物が主流になってきているようです。

西野和宏
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