二胡工房 光舜堂

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桐の二胡続き

2010-05-25 19:50:53 | ■工房便り 総合 
木の板を、皮の代用品として使うというアイデア、詰め始めた。

素地は、木だからそれこそ、沢山ある。

日本の中で、わりと始終使われている木だけで、多分400種類ぐらには、なるはず。

その中で、楽器に使われるということでは、

楓、松、スプルス、桐、紫檀、黒檀、様々、洋楽器まで入れれば、多分50種類。

シタールのひょうたんや、椰子胡の椰子が木?

音響の方では比較的良く使われる、桜、樺、チェリー

これみんな、バラ科のいわゆる桜。これはどうだろう?

以前、ある人に頼まれて、JBLの、パラゴンに近いものを作ったことが有る。

その過程で、パラゴンはアメリカの桜で作られているのを、カナダ ウォールナットや、メイプル等で、試作したことが有る。

スピーカーのように、反響板として使う時は、色々やってみたが、桜系がやはり優れているようだ。

二胡に木を使う場合、反響板は、既にいわゆる唐木が使われている。

振動板としての蛇皮のように、比較的ゆるさを併せ持つ木というのは、なかなかない。

硬い、桜や、メイプル(ボーリング場のレーン)などは、よほど薄くでもしない限り

かなり硬い音になってしまう。

反対に、柔らかい木はどうだろう。

先ず。桐、サペリ、スプルス、檜、など上げることができる。

今候補としては、桐、これは、楽器としては既に高胡や、板胡、琴。胡琴等振動板としては実績が有る。

がしかし、やってみたところ。桐は、音を吸収しすぎてしまい、二胡の、楽器としては、

サックス並みにある倍音が、消えてしまう。

桜やメープル等では反対に、低音部を拾いきれないし、やはり倍音は少なくなる。

桜や、メープルは、やはりスピーカーのように、振動板は別にあって、それを反射し、増幅するという役目には合っているのだろう。

捨てがたいのは、やはり桐、そして、楠。

楠は、若いころから、仏像を彫っていて経験から、板のあのしっとりとした、樹脂分の多さが、鑿がが当たる時の音からすると、かなり良い響きになると思い、駒に良くつくった。

楠の樹脂分は、生成されると、樟脳にもなり、またセルロイドの原料にもなる。

桐は、言うまでも無く、あの蝋分の多さは、弾力を出すという点では、非常に優れている。

また、木としては、収縮率も少なく、6角形にきったとしても、含水を10%ぐらいにすれば、ほぼ動かないと言える。

(因みに、世界中の木の中で一番収縮率の低いのは、チーク、そしてクク)

楠にしろ、桐にしろ、桜程ではないが、倍音が少なくなるのはいた仕方ないのかもしれない。

とここで、投げてしまえば、木の振動板はできなくなる。し、二胡作りではない。

木と他の素材の組み合わせは、どうだろう。

例えば桐で作るとして、今の高胡の木の厚み2、2ミリ前後より薄くし、

それを積層する、勿論何らかの接着剤は必要。

いわゆる木工ボンドでは、硬すぎる、折角の桐の良さは無くなる。

では、ゴム系?音を吸収してしまう。

続飯(ソクイと読む、もち米を練ったもの)は?これも硬すぎ。

煮皮もやはり硬すぎ。

で、見つけたのが、食物繊維系の糊、これは良い、

乾いても、かなりの弾力が有る。

これはみんなが普通に食べているものに、良く使われている。(内緒)

0,3ミリの桐の板を5枚これで重ねて行くと、、、、


7月には光舜堂に、お目見えする。

折角だから、光舜堂のロゴ文字を書いてくれた、桐鱗(きりうろこ)女子に絵を描いてもらうことにした。

西野和宏

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