胡弓の弓も作り始めなければいけません。胡弓も。
そして二胡もいかに安く良いものを作れるか、これ閃いたのです!
健全に鳴る二胡を広めたいというのが光舜堂の目的ですから。
そして松脂、大変ありがたいことに、じわじわと広がっています。
「あまりの松脂の良さに驚いて、友達にも勧めたくて購入しました」という方が既に数名様。
既にプロの交響楽団の方々にもじわっと広がり始めています。
この、じわっとがとても良いですね。
5月以来始めたのが、チェロのテールピース作りとコントラバスのテールピース作りです。
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これで完成型なのです。
真ん中のだけ違いますね、これ普通に販売されているフェルナンブーコのテールピースです。
要するに弦を交換するときに前から入れて、後ろに掛けて、上のリブで支点を作る形です。
でも、コントラバスは駒の高さが13cmもありますから裏に手が入るのです、私の厚み45ミリもある手でもです、その点ではチェロも同じです駒の高さが90ミリもありますから。
その上、コントラバスはすでに、そのほとんどが
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/3d/01b9739e896929b9f4414ff85a2ba223.jpg)
機械式ペグなのです、稀には木でできた昔からのペグもありますが、
この機械式は微調整器にもなっています。
ですから微調整器はいらないのです。
するとこの前から開いた12ミリもある穴と溝は全く意味が無くなります。
そこで、これ!
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真上に弦を抜けるように作りました。
裏は、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/aa/da64faecb7cf796141d484c57390c7a3.jpg)
こんな感じです。
要するに弦が折れ曲がらずに真っ直ぐ駒を通ってペグに結びつくのです。
特に、裸ガット弦などは裏から通して上に折れ曲がる時にかなりの負担が掛かり、稀には切れていしまうなどという事もあると聞きました。
これ音の立ち上がりがとても速いのです。そして音がつぶれないとのことです。
このアイデア、ベルリンの高橋徹さんからお聞きしたのです。
ありがたいことです、何しろコントラバスに関しては、いくらチェロを弾くとは言え素人ですから。
でも、考え方ッとしては大変合理的ではあります、いくつか解決しなければならない問題はありますが、弦に負担をかけないという事では、ベストでしょう。
そこで私もいろいろ調べて、古くから楽器を修理している方達に聞いたところ以前はあったという事です。
高橋さんはその知人が既にこの方法でやっているという事で私に試してみないかと、しかし、ベルリンは遠いいです。そこで大手の楽器卸の会社に持ち込んで試してもらいました。
これ最大の難点があります。
木を厚く取らなければ、弦の荷重を支えきれないのです。
たぶん以前はあったのかもしれませんが、当時は殆どが洋楽器のテールピースは、黒檀でした、最高級品だとヨーロッパの柘植の木などあります。
何も問題なさそうですが、
黒檀はマイクロクラックという細かい罅が沢山入っています。
薄く作ると弦の荷重に耐えられないのでしょう、私もやってみましたがかなり弦のところで割れますね。
では柘植は?この柘植、みなさんがイメージしている柘植の櫛の柘植ではありません。
密度も高いですしなおかつ軽いのではありますが、日本の柘植の様な粘りがなく、これも薄くすると、割れが入りやすく、ヴァイオリンの弦の荷重くらいなら問題はなさそうですが。
さらに考えました。
テールピースは軽い方が良いと言われます。
単にそういわれているだけなのです。
ヴァイオリンの場合はもう既に楽器の大きさが確定しています。
ですから、その部品としての重さなどもはっきり決まっているのでしょうね。
およそ10gです。
??
そこで、チェロやコントラバスの重さを計ってみましたしそのテールピースも重さを計ってみました。
コントラバスのテールピースはおよそ160グラムから180グラムくらいに作られています。
これは、知人の楽器修理やさんにも聞きましたが、コントラバスのテールピースに関しては分からないとのことでした。
また演奏家の方にも聞いてみたのですが、軽い方が良いという意見の人に、それは比べてみたのですか?材質は?など、まあ、嫌な顔をされただけでした。
中には重い方が良いのだという方も、、、、
何に比べて?何が基準か?というのが無いのがコントラバスのテールピースなのです。
ヴァイオリンの人たちはもう定型で作るだけですし、コントラバスのことまでは考えないですね。
高橋さんに松脂のことを通して知り合うまでは私もそうでしたが、その太い弦をいかに鳴らすかという事を松脂を通じて考えていて、私が大量に紫檀黒檀を持っていることを知ったクロサワ楽器店さんの担当の方から、チェロのテールピース作りを頼まれたのがきっかけで、楽器の材料の比率を考え始めました。
ある定数を見つけたと思います。質の違いもあるので、これは大変ですね。
そこで作り上げたのが今回のコントラバス用のテールピースです。
まだまだ実験段階でこれを実際鳴らしてみて答えが出るかもしれません。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ