随分前から、二胡の音を小さくすることを考えていました。
以前お客様の注文で楽器そのものの音を小さくするというのも作らせてもらいました。
皮の加工と胴の厚みを厚くすることで何とか出来上がったのですが、、
もっと簡易に、二胡らしい音でなおかつ音を小さくすることはできないかと、暇があるとやってみてきたのです。
今回、こんなものを作り出しました。
強くて硬いヴァイオリンの弓の材料使って作ってみました。
しかしある方とお話ししていて、鉛筆を差し込んでいる人も多いですよ！
それは私もやってみたことはあるのです。
これ！かなり良いと思うのです。
色々な丸棒や箸や筆など挟んでみたのですが、鉛筆が一番バランスよく、音も小さくしてくれて尚且つ、二胡の音も残っていいますね。
特に昔ながらのレッドシダーを使ったもの。
そこでさらに一工夫、
このように鉛筆を切ります。胴の箸から片側5ミリくらい短くするのです。
多少長いままよりは音は大きくなりますが、これはかなり二胡の音に近くなります。皮の端を振動させているからでしょう。
鉛筆はレッドシダーという杉の一種を使っています、そのために強い繊維が真っ直ぐに通っているのと比較的軽い材であるというのも良い影響しているのだと思います。
弱音器と知って販売されている金属の駒を挟むタイプはとても音が小さくはなりますが、とても二胡の音とは、私には感じられません。
先日書いた国枝さんの方式木の洗濯ばさみはかなりその点では二胡の音に近づきます。
この鉛筆を短くして皮の上に乗せるというのは長さの調整で音の大きさも変えられます。
これは一つ有利なところですね、
短くすると音は大きくなります。より二胡の音に近づきます。
これは.もう一部の方には良く知られたことではありますが、もうやっている人も多いと思うのです。
この鉛筆弱音器なかなかの優れモノだと私は考えますが、みなさん
簡単ですから、やってみてはいかがですか、マンションでも弾けますし、夜遅くでも嫌がられないと思うのですが？？
ただこの方式の難点は、音の伸びがないことでしょうか。ゆったりとした曲でなおかつ音も小さく、などとこだわる方には、私の作ったフェルナンブーコの弱音駒もよいとおもいますよ。（フェルナンブーコ高い材料ですからご希望で作りますよ）
しかし、この鉛筆弱音駒はリーズナブルですし効果的だと私には思えます。
そして更に音を小さくとにかく左手の練習にでもなれば、音色はともかくという方は、金属製の既成の弱音器がお勧めです。
その他駒に釣りのガン玉をかませるのも一つの方法ではありますが、何しろ鉛の塊ですし、まさか食べはしないと思いますが、体に良いものではないですしね。また、スプリングクランプという金属製の鋏に硬質ゴムを被覆したものなどもあります、これも音は小さくなりますが、駒の形状によ手は付けにくいこともあります。硬質ゴムが付いていることで単なる金属性より音は良いと思います。
しかし、何より簡単、リーズナブル鉛筆弱音器でしょうね。
音の大きさでお悩みの方は、まあ、とにかく鉛筆から始めてみたらいかがでしょう。
工房光舜堂西野和宏＆ほぉ・ネオ
