二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

2回の調整講座を終えて。

2017-02-14 10:47:18 | ■工房便り 総合 

たぶん私が二胡屋を続けられるとしてもあと10年でしょうね、そう考えたら、

どんなに嫌われようと辛口でこのブログは書き続けようと、、、十分辛口でしたかね???

調整講座、たった5時間ぐらいで、参加の方々、本当によくできました。

第一回は、4人中3人までは、先生方、

お二人は関西からわざわざ。

せめてご自身の生徒さんの楽器の不具合は直してあげたいという熱意です。

そして、第二回目は、峠岡君を含め3名様。

お二人は、やはり九州と静岡という遠いところから。

皆さんの話を聞いていると、やはりかなり不具合の多い楽器が多いようです。

その一番の問題は、楽器を造るほうそして、販売している方にきちんとした調整という考え方が無いからです。

私もたくさんの、それこそたくさんの二胡をみてきています。

その中でも購入したばかりの楽器というのは、300本を超えるでしょうし、

様々な楽器屋さんへ行って弾かせても、もらいましたが、

これでちゃんとした楽器に仕立てられているのか、という物がとてもたくさん、

というよりほとんどの楽器が、まったくといってよいほど、販売されるべきでないくらいな調整しかされていません。

確かに、千斤は巻いてあるしとりあえずは駒もついている。

さすがに新しいだけあって、ぴっかぴか!

一番困るのは、

楽器を仕入れて、ご自身でその楽器の調子というのを調整していないことでしょうね。

下手すると雑音止めのために座布団のように厚いフェルトを突っ込んであります。

それだけ雑音が多い楽器だと証明しているのだというのがわからない中国人の楽器屋さんがいることのほうが驚きです。

調整講座以前にも、何社かの楽器屋さんに、せめて木軸の削りなりともと思い、

伝えてあります。

きちんと伝わらなかったのか。

ここ数ヶ月で、何台もその楽器屋さんが調整したんだけれども、という楽器を調整し直しています。

確かに木軸も削った跡があるのが見えます。

でも単に削って木軸が抜けにくくするというだけであって、

スムーズに回しやすくはなっていないのです。

ところが調整講座に参加された方、初めてやったにしては皆さん上出来。

さすがに刃物に慣れていない方も多いですが。

基本はきちっと抑えられています。

なんで楽器屋さんができないのか????

簡単に言ってしまうと。

愛情が足りないのですよ。

この楽器を何とか使いやすく良くなるようにという想いが無いのでしょうね。

抜けやすくなくなったから良いではないか、という削りなのです。

人の作業の跡を見ると、その人がどういう想いでその作業をしたかというのがよく見えてきます。

又、或る楽器屋さんと話していて、千斤も駒もフェルトも、雑音消しとしか考えていない方がいらしたのには驚きました。

確かに二胡は雑音が出やすいですが、

根本的な原理さえわきまえてさえいれば雑音なんか出ないのです。

木軸の削りというのは、単に抜けにくくするためではないのです。

そうやって回しても、どの位置でもがたつきがなく、きれいに回り、弦を常に安定して支えるために木軸はあるのだということなのです。

木軸はなぜあの長さが必要なのか?

考えたことがないのでしょうか。

なぜに先人たちは、弦を通す穴の位置が、ここならばと決めたか考えていないのでしょうか。

その穴の位置さえ、各楽器屋さんでバラバラなのですが。

今後、楽器屋さんが木軸削るといっても頼まないほうが良いかもしれません。

きちんとやってくれないのなら、やらないほうがまだましという場合も多々あります。

調整講座は、まだ続けなければいけないでしょうね。

本当は先生方、あるいは楽器屋さんに参加してほしいのですが。

その方たちは、私なんかに教わりたくはないのでしょうね。

ですから、素人の方でも構いません。

本当に二胡を好きな方のほうがむしろちゃんと出来るのがわかりました。

でも次回は、或る楽器屋さんが参加してくれますほんとうれしい!

たぶんその次は、秋、9月の最終週の日曜日にします。

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