二胡工房 光舜堂

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テールピース&テールピース

2025-01-30 10:54:18 | ■工房便り 総合 
洋楽器にはテールピー―スという弦をまとめて胴に伝える役割の物があります。
テールピースの役割というのは何でしょうか?
弦を支える、なおかつ弦の振動を胴に伝える。
ネットにはこのような解説がありました。
「テールピースの役割は、楽器の音質や弦の振動に影響を与えることです。テールピースの素材や長さ、厚さ、重量などによって音質が変わるため、楽器の基本的な音質や反応の良さを考慮して選ぶ必要があります。」
「テールピースは、弦を楽器の本体に固定するためのパーツです。 ペグ同様、テールピースも素材によって音質や弦の振動に影響を与えるため、選び方が重要です」
確かに、弦をまとめて胴に固定する部材ではありますが。なぜこのような大きさ長さが必要なのかというのは書いていないです。
昔からこのように作られるものだと言われてきているだけです。
その上で、この材質が良いだの、この長さが良いだの、あるいは軽ければ軽いほど良いだの色々言われていて、ほとんどそれが検証されるという事はなかったようです。
簡単な話、どんな弦楽器でも駒から下の弦も鳴っています。
必ずしも調和された音程で鳴るとは限らないのです。
したがって、大変な雑音となるのです。
これ実際にヴァイオリンのテールピースを極端に短くして、あるいはほとんど無いじょうたいで弾いてみるとその雑音のひどさが分かります。
昔の人が考えて、テールピースの長さを駒から下16対11くらいの長さにすると、駒から下の弦の振動が駒から上の弦の振動と調和することを考えたのでしょう。
それが、現在のテールピースの大きさ、長さになっているのだと思います。
そのことによって雑音ではなく倍音になったのではないでしょうか。

これはベルリンのコントラバス奏者高橋徹さんの依頼で作り始めた特殊な形のテールピースです。
表から見るとあななどはありません。
普通テールピースと言いますと。
このように板の裏に弦を引っかけて穴を通して前に出す形です。
今回のテールピースは板の裏を通して真上に抜けます。
弦の振動がそのまま直接無駄なく胴に伝わる形です。
何より弦を一切曲げることなく使えますので、裸ガット弦が切れることがありません。多分ガットコアでお同じ事が言えます。
この話を高橋さんから頂いて以前から試していました。
クロサワ楽器店さんの新宿本店でコントラバス担当の方に何種類か試してもらいました。何しろなかなかベル院の高橋さんとはお会いできませんので。
かなり良い結果です。
木の音色の違いがはっきり出てくるようです。一番安価な楽器に、小葉紫檀のテールピースを付けた時には驚きました。
それまで響いていた音とは違いかなり高級感のある豊かな音色になるのです。
それはそうですね、いわゆるフィッティングという点では、コントラバスは木の部分は本体以外にはテールピースきりないのですから・
コントラバスにとってテールピースは音色上そうとう大きな影響があるような気がします。
どうやら、このテールピース作りも一定の成果が出たようで、これはあるお客様と話し合って試しに音色違いがはっきり出るように、275グラムでシャム柿とコウキ(小葉紫檀・レッドサンダー)で比べてみるつもりです。
何故275グラムかというと、、、お客様のお持ちの楽器の重さから割り出した数字です。
そこが今回の研究の一つの結果だと思うのです。
軽い方が良いと言われるテールピースを以前試した320グラムと220グラムのもの、その結果として出てきた数字の再試行です。
これがうまくいくと、本体の大きさ重さに相当ばらつきのあるコントラバスのためのテールピース作りに一つの定数が実現しそうだからです。
お試しが楽しみです。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ

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