二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

習うという事。

2023-02-01 09:29:01 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
私のところには様々問合せ、あるいは質問というのが来ます。
松脂を試してみたい!
弓を試したい!
どんな楽器も良い音にできるのですか?老紅木と言って買ったのだけれど、黒檀の音にしたいのですが!
弟子になりたいのですが!
様々お問い合わせが来ます。
教えて欲しいという方も、何人かいらっしゃいます。
メールのやりとりで教えて欲しいという方もいらっしゃいます。
しかしこれは無理ですね。
何しろ扱うのは自然の物です。
先日も中国から弓に使う竹が来ました。
ネオちゃんには、まずは選別をやってもらいます。
教えるのではなく、触る機会を作るのです。
「ね。ここが曲がると、ここへ火を入れて」と言ったとしても、それは単なる言葉でしかありません。
自分で曲げてみて火を入れて、失敗して折って、そして毛を張っ手洗ってぼそぼそがいかに多いか試して、弾いてみて、答えが出るのです。
言葉では伝えられないことが山積みなのです。
ですから、私は作る事を教える時、いかに素材にたくさん触れられる時間を作ってあげるか、そしていかにダメをたくさん作らせるかだと、思っています。
見せて、伝えて、模倣させて失敗して、その繰り返しが、教えることだと考えます。
確かに材料はもったいないです。しかしその材料を知るにはダメにするきりありません。
修理などは更にその上を行きます。
何しろお客様の物をお預かりして直すのですから。
私自身お客様に沢山のそれこそ4000台を超える二胡を触らせてもらって、二胡というものが理解できて来たと思います。お預かりするごとに、それぞれの二胡の違いに大変驚いたものです。そういう点でお客様に育てられたともいえると思います。
楽器の修理というのは、きちんとした道具の使い方、刃物の研ぎ方木の磨き方、それらを数多くやってみないと、修理というのはできないでしょう。
以前、お店で、デンペンを私が刃物で剥がしていた時、あるお客様が「デンペンなど剥がすのに刃物は要らないでしょう簡単に取れますよ」と。確かにかなり多くのデンペンは爪で引っかけただけでも取れるものが多いですが、中には相当しっかりついているものもあるのです。
その時にうまく刃物が使えないと皮まで削れてしまいます。
沢山の二胡の中には様々な状態の物があるというのを知るのが、習う事でしょう。
多分、みなさんが二胡の練習をするの同じで、発表会に向けて、このように弾いたらあのように弾けばと、一つの曲を完成させるのと同じですね。
これも場数です。
ですから、私の教えるというのは、この子なら多少ダメを出しても良いかな?という人に、いかに多くの素材を触る機会を作ってあげるかという事なのだと感じています。ですから皆さんも先生の前では沢山失敗してください。
そうやって今の本業の工房の社長も育ってきまして、10年経って会社を譲りました。
さていつの日にかネオちゃんに、二胡工房譲ることになるのですかね?
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ


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