二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡の生涯、思春期?反抗期?

2016-05-19 09:08:18 | ■工房便り 総合 
皆さんが二胡を購入して、弾き始めて、どうやら二胡の音になってきたかなという時期ですかね、

思春期反抗期、

人は持って生まれた感覚や感情というのがどうもあるようですね、

それが、周りの人々の固定的な観念価値観を押し付けられることに嫌気がさす時期なのかもしれません。


二胡にも持って生まれた音色や響きというのが有ります。

それを素直に引き出すように弾いてもらえるなら問題は無いのですが、

どうも弾き手の方がまだ育ち切っていないことからか、?

あるいは、二胡とはこういう音のはずという調整をされてしまってきたからなのか、

育ち始めた皮が反抗する場合も多くあります。

一定のよい振動を最初から与えられていた楽器は、このころ皮が育って来て多少歪んできたとしても、

それをなだめてさらによい振動にして行くことが出来ます。

ところが、これが最初の胡でもあり、弾き手としても未熟だとどうしても、どこか無理が出て来るのでしょう。

また、このころにきちんとした調整をしておけばよいのですが、

その調整の仕方というのが確立されていませんから、せっかくなり始めてきた時に、

むしろ二胡っぽく鳴るような調整をされてしまいかねません。

そうなると強い胡に限って、かなりの反抗をします。

その楽器によりますが、2年ぐらいから、4,5年くらいたちますと。

今度は思わぬ問題が出てきます。

それは、皮のゆるみや歪みです。

診ただけでは分かりませんが、触ってみるとよくわかります。

柔らかくなっているのです。

あるいは突然という感じで、高音が出て来なくなります。(変声期ですかね)

特に内弦、せっかく順調に良い音がしていたのに、何をやっても、

どう弾いても高音が出にくくなることがあります。

これの理由は、木が収縮して、皮だけそのままですから、皮としては緩くなる状態です。

木が動くという実感は皆さんにはないでしょうが、

昔の人、(私も含めて)箪笥の引き出しが開かなくなったり、

窓の雨戸がなんだか外れやすくなったり、と、いろいろ経験されているはずです。

最近の40歳デイより若い人にはそんな経験というのは無いでしょうが、

木は動きますまた縮みます。

中国の二胡を製作する、工場はエアコンされていませんが、

皆さんのご自宅は皆エアコンが入っていると思います。

そうすると、木が縮んで、胴の萩が割れたり、

棹の上の頭の白い牛骨が取れたり、

棹が細くなって胴の穴との間に隙間が出来たりもします。

胴の割れなどは修理すればよいのですが、

意外と気が付かないのは、木軸も、細くなるという事です。

そうすると木軸が抜けやすくなったり、がたつきが出て解放弦に金属音が出てきたりもします。

このころにあまりにも木軸が抜けやすくなり、例えば先生の言うようにチョークを塗ったりしても、

うっかり調弦も出来なくなったりすることもあります、

というより、かなり多いですね。

こうなるとなんだか引くのが嫌になって、では他の楽器を買おうかなどという気にもなったりします。

またそうやって2台目を購入する人も多くいます。

でもこれらは、みな直せます。

むしろ強い反抗をするほど良い楽器であったりします。

日本の環境に、慣れるまでは致し方がない事です。

このあたりで、ほんとは一度は、修理に近くなりますが全面的なメンテナンスというのが本当は必要なのです。

皮が状態が悪ければ張り変えればよいですし、多少の胴の割れなども直せが問題は出なくなります。

まあ、この時期が一番反抗期なのでしょうね。

この時期にきっちりメンテナンスさえすれば、

皆さんのお持ちの二胡はとても素晴らしい音色で鳴り始めるのです。

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