二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

楽器を育てる、その4

2011-09-09 09:19:06 | ■工房便り 総合 
弾き込み始めてから、2年ぐらいすると、十分にもう全体がよくなり始めます。

ホントの二胡の音が聞こえてくるようになりますね。

そして5、6年すると、この鳴りが、風の音のような感じで、聞こえ始めます。

それこそ、CDで聞く先生方の音に近づくのでしょう。

このころには皮はかなり柔らかくなっています。

駒のあたり、だけが柔らかくなるのではなく、あるいは何処か一部が柔らかくなるのではなく、全体が見た目にもフワっという感じにも見えます。

何処か一部だけが軟らかくなったとしたら、それは弾き込みの間違いか、

あるいは皮の張りの異常だと思います。

木の乾燥度の変化というのも考えられます。

この時には、高音が出なくなります、第3ポジションからいきなり音がでなくなるのです。

これはかなりよく見かける症状です。

不思議な事に、二胡のプロたち、特に販売にも従事している人たちの中に、

このことが分からないのか、気がつかないふりをしているのか、という人たちも沢山います。

買い換えというのを考えているのでしょうか?

と、、また話が飛びました。

このあたりから、6.7年弾き込み、低音が十分に鳴るようになってから、

二胡の楽器としてのピークは5,6年は続くのではないでしょうか。

そして、大変残念ではありますが、12、3年、あるいは楽器によっては、もう少し長く17、8年たつとある日、ぱたっと今までの音がしなくなります。

これはいたしかたないですね。皮の寿命でしょう。

ただし木の方は十分育っています。

ですから皮を張りかえれば、最初に育てた時より早く、半年ぐらいでは元の音になってきます。

皮を張り替えると音色は変わるかと良く聞かれますが、最初の皮と同じくらいの厚みの物を使いさえすれば、それほどの変化はありません。

張り替えたばかりは多少違和感が有ります。聞きな慣れた音ではないですから。

しかし半年ぐらいで、元に戻るようです。

この項続く
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2 Comments

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Unknown (とら)
2011-09-09 13:57:42
二胡に関してはほとんど弾くだけの私です。
目から鱗・の工房便りを楽しみに読んでいます。

続きを読むのが楽しみです。
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とらさん (nishino)
2011-09-09 15:13:14
私も、作り始めてやっと
二胡の、色々な事が、分かってきたところです。
先日も皮を二匹分ダメにしたところです。

尻尾の方の良いところだけでも10台分、

これは勉強代ですね。

30数年皮を扱ってきた方でも、見ただけではまだ、と、おっしゃっていました。

でもだから面白いのですね。

読んでいただける人がいると、こうやって分かるのは嬉しいことです。

ありがとうございました。
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