ある、先生がこうやって、弓を弾いて、押す時と引くときで音程が変わるのは楽器が悪いと、以前西野二胡を大変批判したことがあるのですが、、、
今回も同じような質問が来ました。これは単に質問だと思います。
このように弓の押す時引くときで音程が変わるのは、一番に疑ってよいのは弦の劣化です。
特にとマスティークやピラストロなどは劣化するとそのことが顕著に現れやすいようです。
中国製の比較的金属の硬いものは劣化した時に、弓の押し引きで音程に変化が現れるというのは相当長く使ったときでしょう。
以前8年間弦を取り替えていないという方がいらっしゃいましたが、流石にこの音程の狂い、何より高音部が全くでなくなってきていました。単なる金属音でしたね。
擦弦楽器は弦を弾くことによって音楽するのですから、その弦の良い振動というのは維持したいですし、またその劣化には気を付けたいですね。
ヴァイオリンの方達は早めに変える人で半年、遅くとも1年くらいと聞いています。
4本セットで2万3万円は当たり前の世界ですから、ヴァイオリン系はお金がかかりますね。
でも、その弦が基本ですから致し方ないのでしょう。
また弦の劣化がいつから始まるか、これもはっきりはしませんね。
そこで、この弓の押し引きで音程が変わってしまうなどというのは、劣化を見極める一つの基準になるかと思います。
但し、この弓の押し引きによる音低の狂いというのは、他の要因でも起こります。
木軸のがたつき台のがたつき、あるいは沢山巻きすぎた、柔らかい糸千斤の劣化などによっても起きます。
そして駒の跡にへこんでしまった蛇皮等でも稀には起きるようです。
ご自身で楽器を調整する方はそれらすべてに気を付けてみてください。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ。ネオ