楽器作りというのは惚れ込まないとやっていけません。
というより、惚れ込んでしまうのでしょうね。
ヴァイオリンなど、もうストラデバリウスが最高というそれ以上はありえないと言われ、全ての楽器作りがストラデバリウスを正確に測って、その通り作るだけにしてもです。
多少違うといっても、せいぜいガルネリやアマティーモデルであったりするだけで、それでもその原型の通りに作るのが最高と言われる世界です。
それでも、私のように下手ながらもヴァイオリンを作ろうという人は、世界中に沢山います。
日本だけでもアマプロ問わず、たぶん2000人を超える人がいるでしょう。
ヴァイオリンの制作の学校でさえ、数カ所あります。
毎年100人を超える人が卒業するのですから。
楽器つくりは単なる造形ではありません。
形を作り、そして音を紡ぎ出しますから。
そしてそれを弾いていくうちに音が育ってきて、もう惚れ惚れしてしまうのです。
ましてや、光舜松脂を使うと完全に今までのヴァイオリンより素晴らしく人を惹きつける音になっていくのです。
これは自分自身今まで作ったヴァイオリンが、松脂が変わるだけで感じる事なのです。
そういう意味では、松脂作りも同じですね。
惚れ込まないとやれないですし、たかが松脂ですが、これはどんな響きになるのかと、作るたびに試してみたくなるのです。
話が飛びました。
ネオちゃんが本格的に小葉紫檀で二胡を作り始めています。
「西野さん!西野さんがいつも仕上がってもいないのに早く音を出してみたいというのが分かりましたよ!」
そうなのです!
上手くできたか?ちゃんと鳴るのか?思った音に鳴るのか?どんな音なのか?
聞きたくてウズウズしてしまう。
どんなに慣れてきても、毎回楽しみ!
作って鳴らすと!
次はこうしよう!こうやったらどんな音なのか?
これ永遠に続きます!
そんな中で、出来つつあるのが。
これ!

小葉紫檀のもう殆ど根っこの部分。
見た目には何とも傷だらけで、しかし叩いて、削ってみると。
思わぬ良い響きです。
どんな音なのか、早く弾いてみたい。
これ、一生続くのでしょうね。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ