二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡の仕上げ。蛇皮。

2017-04-01 10:54:43 | ■工房便り 総合 
これは不思議なのですが、

二胡の場合、蛇皮にも加工(仕上げ)するメーカーがたくさんあります。

以前、ある演奏家が、光舜堂の二胡の蛇皮を見て、

「貧乏くさい、もっとぴかぴか光らせればよいのに」

もちろん、私も蛇皮を光らせるくらいの技術はありますが、

あえて自然のままにしてあります。

木のほうも、ですが、自然の美しさというのがありますし、

蛇皮は実は、塗装などしてもはがれるのです。

色も染まりません。

なめしをかけない限り色もつきませんし、塗料も乗らないはずなのですが。

かなりな数のメーカーが、塗装をかけてあります。

たぶんぴかぴかが好きなのかもしれませんが、経年変化とともにはがれてきます。

あと、昔からあるのは、

ワックスがけですね。

熱をかけながら、ワックスをかけるのです。

これは、王名人などもそのようにしていました。

ただしこれはワックスをかけることが目的ではなく、

鏝で蛇皮に熱をかけるのです。

その時の温度の調整が、ワックスを溶かす熱の温度、

65度くらいの熱をかけると、蛇皮が硬化して、かなり緊張するのです。

最初のうちは、弾きにくくなりにくいのですが弾きこむごとに良い振動になるとされています。

これかなり危険です。

熱をかけるというのは昔からやられていたみたいですが、

かけすぎると、ぶよぶよになってしまいます。

ちょうど、最近王名人の跡を継ぐといわれている人の二胡の皮に時々こういうのがあります。

最初から良い音が出るのですが、すぐに1年もしないうちにならなくなります

熱のかけ方がとても難しく、私もいろいろやっては見ましたが、

成功率が低いです。だからこその名人だったのかもしれません。

どうもこの失敗した感じの独特の柔らかさのものが、最近日本に出回っているような気がするのは、

、、、、、、

この熱をかけるときにワックスを使うのでとても自然な艶が出てきます。

塗装はいろいろな種類がありまして、

中にはかなり分厚くウレタンを吹いている、半分人口皮と化しているものもあります。

まあ、メーカーそれぞれに考えがあるのでしょうが、

比較的言えるのは、

かなり楽器として優秀なものは、蛇皮に塗装をしているメーカーでも、ワックス程度にしてあるものが多いです。

ですから高級な二胡の見分けの一つになるかもしれません。

それから、いくら集めの塗装がしてあったとしても、二胡の皮は振動します。

鱗と鱗の間が柔らかく動くのです。

そうするとこの部分の塗料ははがれます。

ですから、オイルを塗るとこの部分から浸透していきます。

オイルは仕上げにはならないです。

蛇皮の仕上げの最高なものは!

あなたの弾きこみです。
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