以前は、男性がよく千斤の巻き方など色々なブログなどに書いていまして、それを見られた方が、真似をして、どうようもなくなってしまうという状況がありました。
この秋からどうも違う理由で、千斤巻き直しに挑戦する方が増えたみたいです。
それは良い事なのだとは思います。
しかし、重要な注意点があります。
千斤はただ巻ければ良い物ではありません。
千斤は、駒を皮に押し付ける役目を果たしています。
駒の高さ、そして何より皮の弾力、そして、その硬さによって、千斤を巻く回数と棹からの距離が決まります。
最近流行っているのは、以前からのシンプルな巻き方ではなく、棹と弦に交互に一回づつ巻いていくという、かなり複雑で高度な技のようです。
この巻き方の意義や理由はわかりません。
ただご自身でやる場合は、シンプル イズ ベストです。
わりと新しい二胡には、皮の振動が小さいですから、せいぜい弦に幅3ミリ分くらいが巻き付いていれば十分です。
皮が育ってきますと、振動が大きくなり、多少抑えないと、空弦時の雑音あるいは、大きく弾いた時の駒の跳ね返りなどがあって、
千斤の巻き数を増やすと、その跳ね返りが減ります。
だいたい、5ミリくらいの幅に巻き込むと治まるのです。
ヴァイオリンなどのように弦の張力一杯に切れるくらいに弦を引っ張っているような楽器は、上駒(二胡で言う千斤)は一点で支えられるように作ってあります。
ほんの0.1ミリくらいで弦を抑えるのです。
二胡と言う楽器が今のように糸をたくさん巻く理由と言うことで考えられるのは、二胡の弦が緩く張ってあり、演奏している間に弓の強さで音程が少し変わるからでもあります。
ですからその弦の揺れを吸収するためにも、一点ではなく糸を何回か巻いて、その揺れを吸収します。
これはやってみるとわかるのですが、太めの糸で一回だけ巻いてみると、右手の弓の強さが変わると、音程が狂いやすくなります。
このことを、「自分で調整をやっています」という方が確かめていない事が問題なのです。
単に巻くいうことではなく、「目的を持ってこのようにやったら音がどうなるか」と言うのを確かめないで人に広めてしまうのが、問題なような気がします。
いずれにせよ、ちゃんとした理由を理解しないで糸を巻くと、何のために巻いているのかがわからなくなり、どうしようもない状態になりかねません。
どうしようもなくなった時には、複雑な巻き方はやめて、
駒の高さが、9ミリくらいなら、千斤の棹からの幅は、19ミリ、
そして、単に糸をくるくると、だいたい4ミリくらいの幅にしておけば、比較的問題なくなります。(弦の硬さにもよります)
ですから駒の高さが、8ミリならば、18ミリ、
駒の高さが10ミリならば20ミリ、
と大まかに考えてください。
ただしこれは、胴の上から千斤の位置までが370ミリくらいの場合です、千斤の高さが変わるとこれはまた変わります。
ですから光舜堂に来ることのできない方は、今の数字でやってみてください、とりあえずは何とか治まります。
また、木軸には、刻み目が入っています。
これはどのような目的なのかはわかりませんが、たぶんチョークの粉が良く引っかかるようにだと思います。
また、木軸の止まりが悪いようでしたら、一度木軸を抜いて、(ただし一本づつ)アルコールで内部を良く拭いて、木軸も拭いてください。
アルコールが無ければ除光液でもよいですが、綿棒(付け過ぎを防止するため)に付けて内部を拭いてください。
除光液は基本的にシンナーの中でも一番強いアセトン系ですから手や棹に付けないようにしてください。
それから、松脂を木軸に塗って、差し込んでください。
それから、ヴァイオリンのペグ(木軸)に付ける、コンポジションと言うものが販売されています。
これを木軸に塗って、硬くしたいときには松脂を塗って調整してみてください。
こんな感じでよろしいですか?
この秋からどうも違う理由で、千斤巻き直しに挑戦する方が増えたみたいです。
それは良い事なのだとは思います。
しかし、重要な注意点があります。
千斤はただ巻ければ良い物ではありません。
千斤は、駒を皮に押し付ける役目を果たしています。
駒の高さ、そして何より皮の弾力、そして、その硬さによって、千斤を巻く回数と棹からの距離が決まります。
最近流行っているのは、以前からのシンプルな巻き方ではなく、棹と弦に交互に一回づつ巻いていくという、かなり複雑で高度な技のようです。
この巻き方の意義や理由はわかりません。
ただご自身でやる場合は、シンプル イズ ベストです。
わりと新しい二胡には、皮の振動が小さいですから、せいぜい弦に幅3ミリ分くらいが巻き付いていれば十分です。
皮が育ってきますと、振動が大きくなり、多少抑えないと、空弦時の雑音あるいは、大きく弾いた時の駒の跳ね返りなどがあって、
千斤の巻き数を増やすと、その跳ね返りが減ります。
だいたい、5ミリくらいの幅に巻き込むと治まるのです。
ヴァイオリンなどのように弦の張力一杯に切れるくらいに弦を引っ張っているような楽器は、上駒(二胡で言う千斤)は一点で支えられるように作ってあります。
ほんの0.1ミリくらいで弦を抑えるのです。
二胡と言う楽器が今のように糸をたくさん巻く理由と言うことで考えられるのは、二胡の弦が緩く張ってあり、演奏している間に弓の強さで音程が少し変わるからでもあります。
ですからその弦の揺れを吸収するためにも、一点ではなく糸を何回か巻いて、その揺れを吸収します。
これはやってみるとわかるのですが、太めの糸で一回だけ巻いてみると、右手の弓の強さが変わると、音程が狂いやすくなります。
このことを、「自分で調整をやっています」という方が確かめていない事が問題なのです。
単に巻くいうことではなく、「目的を持ってこのようにやったら音がどうなるか」と言うのを確かめないで人に広めてしまうのが、問題なような気がします。
いずれにせよ、ちゃんとした理由を理解しないで糸を巻くと、何のために巻いているのかがわからなくなり、どうしようもない状態になりかねません。
どうしようもなくなった時には、複雑な巻き方はやめて、
駒の高さが、9ミリくらいなら、千斤の棹からの幅は、19ミリ、
そして、単に糸をくるくると、だいたい4ミリくらいの幅にしておけば、比較的問題なくなります。(弦の硬さにもよります)
ですから駒の高さが、8ミリならば、18ミリ、
駒の高さが10ミリならば20ミリ、
と大まかに考えてください。
ただしこれは、胴の上から千斤の位置までが370ミリくらいの場合です、千斤の高さが変わるとこれはまた変わります。
ですから光舜堂に来ることのできない方は、今の数字でやってみてください、とりあえずは何とか治まります。
また、木軸には、刻み目が入っています。
これはどのような目的なのかはわかりませんが、たぶんチョークの粉が良く引っかかるようにだと思います。
また、木軸の止まりが悪いようでしたら、一度木軸を抜いて、(ただし一本づつ)アルコールで内部を良く拭いて、木軸も拭いてください。
アルコールが無ければ除光液でもよいですが、綿棒(付け過ぎを防止するため)に付けて内部を拭いてください。
除光液は基本的にシンナーの中でも一番強いアセトン系ですから手や棹に付けないようにしてください。
それから、松脂を木軸に塗って、差し込んでください。
それから、ヴァイオリンのペグ(木軸)に付ける、コンポジションと言うものが販売されています。
これを木軸に塗って、硬くしたいときには松脂を塗って調整してみてください。
こんな感じでよろしいですか?
今まで千斤の位置は、腕の長さに合わせるものだと思っていましたが、そうではなく皮の状態や駒の高さを考慮し、位置や巻き数を見極めなければならないのですね。
駒の高さとの関係性、大変参考になります。非常に助かりました。もう一度チャレンジしてみます。
駒の傷は木の収縮を考慮し、隙間があいた時に修復しやすくする為なんでしょうかね。
お教え下さった通りやってみたいと思います。本当に有り難うございました。またお訊ねするかと思いますが、宜しくお願いします。